目も開かず片手に乗るほどの子猫を保護 ミルクを飲まず、排せつや離乳食も手探りも…「寝顔を見たら疲れも吹き飛ぶ」
■物置で生まれた子猫たち
ぎんちゃんとまろちゃん(生後2ヶ月半・メス)は、宮城県に住む金森さん宅の物置で野良猫が産んだ。他にも3匹生まれて、子猫は全部で5匹いた。最初は母猫が世話をしていたが、2日後、ぎんちゃんだけが鳴いていた。
「母猫と他の子猫たちはどこを探しても見つかりませんでした。カラスに連れて行かれたか、他の野生動物に殺されたか、きっと生きていないだろうと思いました。ぎんだけは助けたいと思い保護しました」
ぎんちゃんは体重70gくらい、まだ目も開いておらず、ずっとピーピー鳴いていた。
「片手に乗る大きさで、ネズミのようでした。3時間おきにスポイトでミルクを与えたのですが、全然飲んでくれなくて困りました。段ボールに毛布と湯たんぽを入れたら、湯たんぽの上で丸まって寝てくれましたが心配で、生きているかどうか夜中に何度も確認しました」
■初めての赤ちゃん猫
目が開く前の子猫を飼うのは初めてで、どのミルクがいいのか、哺乳瓶はどれがいいのかとか、排泄のタイミングも分からなかった。いつ離乳食に切り替えるのかということも、何が正解か分からず都度ネットで調べながら育てたそうだ。
「特に離乳食が大変でした。ネットにはふやかしたドライフードやウェットフードなど柔らかいものを与えるといいと書いてあったのですが、全然食べてくれなくて焦りました。でも、試しにドライフードをそのまま与えたら、ポリポリ食べ始めたのです」
金森さんは、ネット情報も大切だが、子猫の性格や好みもあるので、いろいろ試しながら育てることにしたそうだ。
■みんな生きていた!
ぎんちゃんを保護してからちょうど3週間が経った時、母猫が4匹の子猫を連れて再び現れた。みんな生きていたのだ。金森さんはとにかく嬉しくて、子猫たちを保護した。母猫も保護して金森さんが飼う予定にしていたが、その日以来母猫が姿を見せることはなく、保護できなかったという。
まろちゃんは、初日は部屋の隅から動かず、ごはんもあまり食べなくて緊張しているようだった。しかし、翌日からぎんちゃんと一緒に寝るようになり、すっかり家になじんだ。
残る3匹もそれぞれ里親のもとに旅立って幸せに暮らしている。
まろちゃんはとてもやんちゃで、人の背中まで駆け上ったり、おもちゃをつかんで離さなかったりする。特にネズミのおもちゃがお気に入りで、買ってまだ1週間くらいだが、既にボロボロなんだという。
ぎんちゃんもやんちゃだが、少し甘えん坊で抱っこが大好きだ。寝る時も基本抱っこか膝の上にいる。
「抱っこするのに疲れてベッドに連れて行くと、すぐ戻ってきます。そこがまた可愛いんです!」
2匹とも寝顔が似ていて、半目になる。
「それを見ていると疲れていても嫌なことがあっても笑顔になれて、また頑張ろう!という活力になっています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)