出産した友人にお祝い金 お礼を返さない相手は非常識? 「友達やめたことある」「距離を置くべき」「忙しいのでは」
漫画家の「ゐ」さんが自身のツイッター(@irk_hrk)に投稿した4コマ漫画「モヤる…ご祝儀へのお返し問題」が話題になっています。
■「内祝いがない…アリ? ナシ?」
物語は、主人公の女性が出産した友人へお祝い金を贈るシーンから始まります。「ありがとー!」。うれしそうに受け取る友人。しかしその後、待てど暮らせどお礼に当たる「内祝い」がありません。「いや別にお返し欲しいわけじゃないけど…普通返すよな…」と独りごちる主人公。「距離を置いた方がいいんだろうか…」。友人との今後のつきあい方にも悩みます。「内祝いがないって アリ? ナシ?」。
ネット上では思いの外、似た経験をした人が多かったようで「内祝いがなくて友達付き合いをやめたことがあります」「仲のいい友人から出産祝いをもらえなかったことがある」などの体験談が寄せられました。他には「モヤるのわかる」「距離を置くべき」「お返しなんか気にしたことない」「お返しいらない」「こういうのが嫌でお祝い自体をやめた」などの声も。中には、出産した友人の立場で「忙しくて返せないんじゃないかな」とフォローする声もありました。
■2児の母親「内祝いはトラウマです」
「内祝いを期待して出産祝いを贈るなんて本当の友達ではない!と言いたいです」と力説するのは、兵庫県在住で2児を子育て中の30代女性。内祝いには苦い思い出があるそうです。
「1人目を出産後、遠縁の親戚からお祝いの品をもらったんですが、初めての赤ちゃんでドタバタしている中、その親戚宅だけ内祝いの発送をし忘れました。しばらく経ってから親戚づてに『お返しがまだ来ない』と催促されて初めて、ミスに気が付きました」
2人目の内祝いの準備も辛いものでした。
「内祝いはお宮参り頃までに済ませるらしいのですが、産後1カ月というのは、出産の傷も痛みますし、夜は2時間ごとに授乳や夜泣き、おむつ替えと眠れない日々が続きます。日中も洗濯やお風呂入れ、旦那や上の子の食事準備などで体も精神もぎりぎり。そんな中で、贈られたお祝い額や相手の好みに合わせて品物を選び、住所氏名やメッセージを入力…。いくらネットで注文できるとはいえ、この作業は1時間で終わるものではなく、子ども2人の面倒を見ながらだったので中断ばかり。ほんまに苦痛でした」
女性は「今、思い出すだけでも内祝いはトラウマです。出産内祝いを本気で廃止してほしいです」と恨めしそうに語りました。
■内祝い、もともとの意味は…
冠婚葬祭のマナーで困ったとき、頼りになるのは老舗デパートです。
三越伊勢丹のギフトサロンにある相談カウンター「儀式110番」には、1994年の開設以降、50万件を超える問い合わせが寄せられています。特に多かった質問を詳細な回答とともにまとめた一冊が「三越伊勢丹の最新儀式110番 こんなときどうする? 冠婚葬祭」(2016年、誠文堂新光社)です。
同書によると、出産の内祝いには本来、別の意味があることが分かりました。
「お返しというよりは、自分たちで祝う自祝いのことで、お祝いをいただいたかどうかにかかわらず、自ら喜びを分かちたいときに贈るものです。したがって、『誕生を内々に祝いました。赤ちゃんの名前は~ですので、よろしくお願いします』というお披露目の意味が大きいのです」(同書から引用)
ちなみに、贈る時期は「生後三十日から四十日ぐらいが適当」。品物としては、かつお節やタオルセット、カタログギフトなどが挙げられます。
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古くからのしきたりは大切。その一方で、経験者からの「内祝いはトラウマ」という重い現実。皆さんはどう思われますか。
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冒頭の漫画家「ゐ」さんはKADOKAWAが運営する「ダ・ヴィンチWeb」で婚活系漫画「自己肯定感が低いので人生リノベします」を連載中です。
(まいどなニュース・金井 かおる)