ウインナーはなぜ2袋セットなの? 「シャウエッセンが導入」のウワサ、日本ハム担当者に真相を聞いた
「ウインナーの2袋セットを始めたのはシャウエッセン」ーーこんな噂を耳にしました。いつから、なぜ2袋セットなのか。調べてみました。
■発売当初は1パックで売られていた
ウインナーブランド「シャウエッセン」や「豊潤」で知られる、日本ハム(本社、大阪市北区)の担当者に話を聞きました。
──ウインナー業界で最初に2袋セットを販売したのはシャウエッセン、といううわさを聞きました。
「2袋セットについて、弊社が初めてか否か定かではありませんが、シャウエッセンを発売した1985年ごろから、徐々に2個パックの販売が増えていったと社内では聞いています」
──2袋セットを始めたきっかけは。
「発売当初は、1パックで売られることが多かったと聞いております。そのような中、2個をテープで巻いて販売したところ、お買い得感もあり非常によく売れたということで、徐々に2個セットでの販売方法が主流になりました。ハムやソーセージはもともとが保存食であり、長持ちするので、冷蔵庫に常備しているお客さまが多い食材です。そのため、お客さまも2個パックで購入し、冷蔵庫にストックしておくことが便利で買いやすかったのだと思います」
2袋セットで販売する理由は、1袋で売るよりもお得感が出てよく売れたため、業界全体に広がり定着した、ということが分かりました。
■袋のふくらみ、2つの理由
ところで、パンパンにふくらんだ袋も気になります。
「袋がふくらんでいるのは窒素ガスを封入しているためです。窒素ガスを封入することで、袋の中の酸素を追い出し、おいしさと鮮度を保っています。また、袋をふくらませてゆとりを持たせることで、流通時に商品を保護する役割もあります。袋を開けて中の空気(窒素ガス)を抜いてしまった場合、日持ちがしなくなりますので、召し上がるまでは未開封で保存してください」(同社担当者)
【シャウエッセン】1985年2月、本格的なあらびきウィンナーとして誕生。名前の由来は、ドイツ語「schau(シャウ)」と「essen(エッセン)」を合わせた造語で、シャウは観るや観劇、エッセンには食卓や食べ物の意味。1986年、テレビCMのキャッチコピー「美味なるものには音がある!」が話題になり大ヒット。2022年2月、環境に配慮し、フィルム上部の巾着部分をカットした新パッケージを導入。2袋を束ねるテープの長さも短くなった。
(まいどなニュース・金井 かおる)