「福島県立医大教授の研究成果をポスターに活用した」「メッセージが強く込められている」子育て支援ポスターへの批判に白河市が再回答

スマホやテレビを見せて育てると親の声掛けに反応せず宿題をしない子どもに、スマホやテレビを見せずに育てるとお手伝いをする子にー。福島県白河市が作成した子育て支援ポスターに対して、SNSで「こんなポスター作っておいて女性医療支援て」「絵柄やフォントだけ令和に寄せても、中身が昭和じゃ意味ない」などと疑問や批判の声が相次ぎました。まいどなニュース編集部はこれまで2回にわたってこの問題を取り上げました。

まいどなニュース編集部はあらためて白河市こども支援課に(1)デジタル視聴が未来の具体的な行動につながるものとして描いたことへの市の見解(2)ポスター内でマルと三角を使って子育てを評していることへの市の見解ーの2点について質問。27日にメールで回答がありました。

編集部:前回回答で示した日本小児科医会の提言には、市のポスターで描かれた「デジタル端末を見せて育った子は親の言うことを聞かず、デジタル端末を見せなかった子は親のお手伝いをする」という将来特定の行為に結びついたり、使用の有無で差が生じることへの直接の言及は見当たりませんでした。アメリカ小児科学会の声明を機械翻訳しましたが、同様の印象を受けました。この点、市としての見解を。

白河市:日本小児科医会の提言には、「乳児期からのメディア漬けの生活では、外遊びの機会を奪い、人とのかかわり体験の不足を招きます。実際、運動不足、睡眠不足そしてコミュニケーション能力の低下などを生じさせ、その結果、心身の発達の遅れや歪が生じた事例が臨床の場から報告されています。このようなメディアの弊害は、ごく一部の影響を受けやすい個々の子どもの問題としてではなく、メディアが子ども全体に及ぼす影響の甚大さの警鐘と私たちはとらえています。」とあります。

 当市は、福島県立医大教授による指導において、乳児期の愛着形成がコミュニケーション能力や発達に影響すること、ポスターの「△」のような子どもとの関わり方は愛着形成の機会を逃していること、教授がこれまでの長年の研究で関わってきたケースに、愛着形成がうまくできなかった子どもにはポスターに描かれているようもののほか様々な傾向がみられること、などを学んできました。

 当該ポスターは、同教授が長年の研究で関わってきたケースを基にその研究成果の一つとして作成したものを教授の許可を得て活用させていただいているもので、メッセージ性が強く込められているものと考えております。

編集部:ポスターは実際には「〇」と「△」でグループ分けしていますが、市としての考えは。

白河市:「ポスター」という限られた紙面の中で、メディアによる子どもへの影響を端的に表現しているものと考えております。なお、先に回答しましたとおり、このポスターは決して性別役割分担を推進したり、子育ての良し悪しをジャッジするものではありません。このポスターにより不快な思いをされた方がいらっしゃることを真摯に受け止め、いただいたご意見を今後の愛着形成の普及啓発に役立てていきたいと存じます。

(まいどなニュース・竹内 章)

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