コアラ親子3組同居で「ママ間違い」続出! これって大丈夫なの…? 心配よそに好奇心旺盛な赤ちゃん活発さ増し増し

「コアラのホリー 。自分の仔と背中には、りんの仔 ♡ 赤ちゃんが入れ替わったり、2頭くっついていたりということは、野生下でも見られることなんですよ。(飼育下では、親の負担を考慮して飼育員が戻す場合もあります。)」

名古屋市東山動植物園がある日、こんなツイートをしました。

リプ欄には-

「こんなことあるんだ!」

「かわいい」

「お母さんお疲れさま」

と労う声も並びましたが、赤ちゃんが入れ替わるって、大丈夫なの? 我が子じゃなくてもウェルカムだなんて穏やかそうなコアラならでは?

来園者によるSNS投稿でも親と子の組み合わせ違いはよく目撃されているようです。

飼育担当の山田知香さんに聞きました。

日本国内でコアラに会える動物園は7つ。東山動植物園では現在11頭を飼育していて、うち3頭が2022年3~4月生まれの赤ちゃんです。大人のオスは別枠飼育ですが、メスや子どもたちは体調管理などで分けることを除けば「大部屋」で同居しています。

-赤ちゃんが入れ替わることがあるんですか。

「親から離れて過ごす時間が増え、たまたまと言いますか…自分のお母さんでなくても背中に乗ったりすることがあります。間違えて、というよりも『そこにいたから』としか…」

-「親の負担」ってどういうことでしょう?

「さすがにおんぶに抱っこでは母親の負担になりますので、わたしたち飼育員が戻すことがあります」

-みんなそっくりですが、判別できるものですか?

「コアラは顔や体の色、体格がみんな違いますので、大丈夫です。エサの食べ方にもそれぞれ個性があるんですよ」

大部屋での同居を取り入れて6、7年。起きている時間が増えコアラ同士のコミュニケーションも見られるようになりました。きっかけは、たくさんの子どもを産み育て、今や「ビッグマザー」と呼ばれるティリー(13歳)の存在だといいます。

 「もともと体格が良く、あまり動かないコアラの中でもさらに動かないタイプで。出身園であるオーストラリアの動物園のキーパーが来園した際に、同居を提案されました。同居するようになるとティリーも運動量が増え、ほかの個体との関わりも出てきて変化が見られました」

「通常は単独暮らしですが、野生下でもほかの個体との出会いはあり、同居ができないわけではないんです。同居がストレスになるようではいけませんが、それぞれが落ち着ける場所が確保できるだけの広さもあります。ほかにも同じく同居させている園はあります」

大部屋での飼育になり、いつも寝ていて当たり前のコアラが昼間は起きてよく動くようになり、熱心に観察するファンも増えたのだそう。

「赤ちゃんたちはもうすぐ1歳。3頭もいるのは当園でも珍しいです。好奇心旺盛で警戒心が少なく、母親から離れて行動する時間がますます増えます」と山田さん。

このほど、赤ちゃんたちの愛称が「だいふく」「おもち」「ししお」に決まったことが発表されました。

「赤ちゃん同士のふれあい、コアラたちみんながガチャガチャする様子をぜひ見ていただきたいです」

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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