2月2日朝、園内で見つかった野鳥の死骸から鳥インフルエンザ簡易検査で陽性反応が出たとして、神戸市立王子動物園は当面の間、臨時閉園することを発表。Twitterの公式アカウントには「動物たちを守って」「何も起きないことを祈ります」「尊い命が奪われないように…」と悲痛な声が連なりました。

そんな中、園の人気者であるジャイアントパンダ「タンタン」（27歳）の日常をつぶやくTwitterのハッシュタグ「#きょうのタンタン」が、いつも以上にタンタンが屋外で過ごす様子を伝え、臨時閉園を心配する人々を癒してくれています。

タンタンは心疾患の治療中で、2022年3月中旬から体調管理のため観覧休止となっています。ツイートではこれまで、屋内で寝たり食べたり、健康チェックのメニューをこなしたりする姿、また週1回の休園日にたまに屋外に出る様子が伝えられてきました。

同園の広報担当者は、臨時閉園が始まって以降のタンタンについて「少し外に出る機会が増えていますが、いつもどおりの日常を過ごしています」と話します。

ある日、よく休むお気に入りの場所に枯れ葉を積んでみた結果が動画で紹介されました。

ゆっくりと枯れ葉の山にやってきたタンタン。匂いを嗅ぎ、前足で掘るような仕草、おでこに枯れ葉をつけたまま最後はゴロン。動画には遠くフラミンゴなど鳥たちの鳴き声も聞こえてきます。 

「喜んでますね！まっしぐら」

「自然の香り楽しんでる」

「おでこにリボンですか？」

「愛の枯れ葉が山盛り」

この静かな環境に至る理由が鳥インフル対応なため、リプ欄には素直に喜んでいいものか複雑な思いも見え隠れしますが、外の空気をたっぷり吸い、生き生きした表情に多くのファンがひと安心。その一方で、「開園中でもタンタンが外に出られたらいいのに」「観覧できなくてもタンタンが好きな場所で過ごせる方法はないの？」という声も出ています。

同園は臨時閉園を発表した翌日の公式ブログで、「鳥たち、動物たちの無事を祈るだけでなく、私たちスタッフを案じ応援いただく声もたくさんいただき、その一つ一つが本当に温かく、励まされています。このピンチに、千万の力を得たように『応援が力に』の思いをあらためて強く感じています」と感謝を綴りました。

「ご心配をおかけしております。再開園に向けて着々と準備を進めていますので、今しばらくお待ちください。再開園しましたら、ぜひご来園いただければと思います。今まで以上に感染防止対策としていろいろとご協力いただくことがありますが、宜しくお願いいたします」（広報担当者）

〔画像は神戸市立王子動物園公式ツイッターから〕

（まいどなニュース特約・茶良野 くま子）