血のつながりより濃い絆 カウス、ボタンの物語 優しいお兄ちゃんと甘えん坊 仲むつまじい姿に癒やされる日々
ぼたんちゃん(茶トラ)とかうすちゃん(キジトラ)(メス・3歳)は、子猫の時に警察官が保護して、福岡市の保護動物センターに連れてこられた。
福岡県に住むTさんの夫は、幼い頃から猫を飼っていて猫好きだった。戸建てに引っ越したのを機に、夫と話して猫を飼うことにしたという。Tさんは猫を飼ったことがなかったので、色々調べてみた。
「茶トラが比較的性格が穏やかで、甘えん坊で飼いやすいという記事をいくつか見て、茶トラ猫を飼いたいと思うようになりました。福岡市の保護動物センターの里親募集ページでぼたんを見て、ぜひ会ってみたい!と思いました」
■2匹一緒に迎えよう
2019年11月、夫妻はセンターまでぼたんちゃんに会いに行った。
ぼたんちゃんは夫妻に会ってもあまり緊張しなかったので、迎えることにしたという。夫妻はその時、センターの人からぼたんちゃんとかうすちゃんが同じケージで過ごしていると聞いた。
「今もぼたんと過ごしているのなら、うちに来ても仲良く過ごしてくれるだろうと思いました。それに1匹より2匹の方がいいといろんな人から聞いていたので、一緒に迎えることにしました」
■血の繋がった兄弟ではないけれど
11月22日、夫妻は2匹を迎えた。
「初日は慣れない環境で不安でしょうし、ゆっくり慣れてくれたらいいと思っていました。でも、ぼたんはキャリーケースを開けた途端、部屋を探検し始め、すぐに膝の上に乗ってきました。かうすは知らない場所にすごく緊張していましたが、ぼたんと一緒だと安心したのか後ろをついて回っていました」
1歳くらいまでは夜になると運動会を連日催したが、だんだん夫妻の生活リズムと同じくらいの時間帯に活動するようになり、夜の運動会もたまにする程度になった。
ぼたんちゃんはマイペースで優しい性格。かうすちゃんは甘えん坊で小心者、食いしん坊でもある。ぼたんちゃんがお兄ちゃんのような存在で、ごはんを食べていてもかうすちゃんが横から割り込むと必ず譲ってあげる。かうすちゃんがぼたんちゃんの身体に頭をこすりつけて近くに座ると、毛繕いをしてあげる。
「ぼたんは本当に優しい子で、ぼたんとかうすが仲良くしている姿を見ると、とても癒されます」
まるで本当の兄弟のような2匹。同じ境遇でセンターにやってきて、いたわりあって生きている。血の繋がりより濃い、愛情で結ばれているのだろう。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)