「左足」を狙った傷害事件が埼玉と横浜で連続発生…元刑事が「通り魔」の“愉快犯”的な心理を分析
2月1日夜に埼玉県川口市と神奈川県横浜市内で相次いで通行人の「左足」を連続して切りつける通り魔事件があり、そのうち横浜市内の事件で62歳の男が傷害容疑で逮捕された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトの取材に対し、無差別的な通り魔犯の心理や防犯対策について解説した。
1日午後8時頃、横浜市のJR保土ケ谷駅近くの歩道で、28歳の男性が反対側から歩いてきた男にすれ違いざまに左足太ももを切りつけられ、全治1カ月のけがを負った。その約1時間半前の同6時過ぎには埼玉県川口市内で61歳の女性と45歳の男性がいずれも左足を、すれ違った男に切りつけられる事件が発生した。犯人は現場から逃走した。
横浜の事件では現場近くに住む会社員の森川浩昭容疑者(62)が傷害容疑で4日に逮捕されたが、「刃物で切りつけることもしていないので分からない」と容疑を否認しているという。同容疑者は川口市内にある会社に勤務していることも分かり、警察は関連を調べている。
小川氏は「防犯カメラの映像を元に、埼玉県警と神奈川県警が容疑者を割り出す捜査を行った。時間的、場所的、犯行の手口から同一人物の犯行である可能性が強い。容疑者と被害者がお互いに右側を歩き、すれ違いざまに犯人が左手で相手の左太ももを切りつけるという手口が似ている。非常にスムーズに移動をしているので普段から使っている路線でしょう」と指摘した。
一般的に「通り魔」と称される犯行の動機はどういったものなのだろうか。小川氏は「相手は誰でもいいわけですが、殺してやろうとか、大けがさせてやろうというのではなく、愉快犯的で、相手が切られているのを見て喜ぶといった心理があると私は見ています」と分析した。
その一方で、同氏は「今回逮捕された容疑者に関して言えば、まだ動機については語られていないようで、そうしたケースに当てはまるかどうかは不明ですが、一般的に通り魔的な犯行にはそういった心理が働くことがあるということです」と付け加えた。
防犯対策について、小川氏は「コンビニや商業施設など、人目の多い避難場所を事前に確認しておくことです。子どもさんの場合は、通学路にある家の人は、登下校の時間に合わせて玄関前などを掃除するなどして、子どもの見守りを地域全体でやっていただけるとありがたい。犯人がその場にいたとしても、人目を気にして抑止力が働くと思います」と協力を呼びかけた。