劣悪なブリーダーから保護された、目つきが悪かった猫 ツン全開だったのに「抱っこは無理だけど、今やデレ7割」

■先代猫と比べる必要はない

美優ちゃん(10歳前後・メス)は、立ち耳スコティッシュ。譲渡サイトで里親を募集していた。保護団体がブリーダーから保護したそうだ。その保護団体では、劣悪な環境のブリーダーから猫を保護しているが、時にはブリーダーから、「もう要らないので引き取ってほしい」という依頼もあるという。

千葉県に住むMさんは、2015年10月、猫のさんたちゃんを亡くして毎日泣いていた。さんたちゃんのように愛せる子は、もういないと思ったそうだ。

「でも、ある日、泣いている時に突然、さんたと比べる必要はない、家族になったその子をただ愛して大切にすればいい、また猫を飼おうと思ったのです。この突然湧き出た気持ち、心の変化が何なのか自分でも説明がつきません。さんたが心配して、そうなるように仕向けてくれたのかもしれないなぁと思いました」

■気の強そうな目つきの悪い猫

Mさんは譲渡サイトで猫を探した。ひどいペットロスだったので、さんたくんに新しい子を重ねることがないよう、あえて全く共通点のない猫にしようと思っていたが、「ちょっとだけスコティッシュを見てみよう」と検索した。

「そこで最初に気になったのが美優です。すごく気が強そうで目つきの悪い顔でしたが、なぜか『この子は絶対に可愛くなる』と思いました。でも、保護されている場所が遠方だったので、一旦諦めました」

それから何匹か応募したが縁がなく、改めて美優ちゃんのページを見たらまだ募集がかかっていたので応募したという。

■ツンデレ姫との楽しい毎日

2015年11月、保護主が家に連れてきてくれた。保護主が帰った後、まずトイレの場所を教えておこうと思い、抱っこして連れて行こうとしたら、あっという間に2階の部屋の隅に逃げ込んでしまった。

「無理矢理連れて行くのはやめた方がいいと思い、もし部屋でしてしまったらその時はその時だと思いました。でも、翌朝確認したら、ちゃんとトイレで用を足していたのですごく驚きました」

初日の夜は夜鳴きもすごかったが、2日目には収まった。

性格は典型的なツンデレ。最初はツン10割だったが、少しずつデレが増えてきて、今はデレが7割くらいになった。スリスリしたり、隣で寝たりする。5年も経つと膝に乗るようになり、今ではしょっちゅう膝に乗るという。

「うちに来た頃は、そばを通る時に小走りで急いで通り過ぎて行ったり、遠慮してごはんの催促もしなかったりしました。その頃のことを思うと、ずいぶん変わったなと思います。でも、抱っこはいまだに無理で、ツンの部分もしっかり残っているので、いかにも猫だなあと思います(笑)」

ごはんの時、「待て」ができるのが自慢。猫に「待て」は必要ないかもしれないが、言うことを聞いて待っている姿が可愛くて、ついやってしまうという。舌をしまい忘れて寝るところとか、さんたくんがしなかったことを美優ちゃんはする。Mさんは、美優ちゃんに毎日癒しと笑いをもらっているという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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