「病気の文鳥を助けて」突然届いた一通のメッセージ SNSでの出会いが話題に「何とかしてあげたいと思い…」

多くのSNSで実装されているダイレクトメッセージ機能(以下、DM)。設定によっては知り合いでない人からメッセージが届くほか、ほかの人からは見えないクローズな場とあり、いたずらや迷惑行為に使われることもあるようです。

一方で、DMから始まった温かいエピソードがツイッターで話題を呼んでいます。投稿したのは、文鳥を飼っている田中さん(仮名)。ある日、田中さんの元に1通のDMが届きました。

送信元は知らない人。迷惑メッセージを受け取った経験もあったので訝しんで開くと、中身は意外なものでした。なんでも、相手の方は田中さんが過去にアップしていた文鳥の病気にまつわる投稿を検索から見つけたそう。「自身が飼っている文鳥と病状が重なるので、覚えていることを教えてくれませんか」という連絡でした。

他人事と思えなかった田中さんは、過去の投稿や記憶をもとになるべく詳細に回答。すると、相手の方から文鳥の写真とともに快方に向かっているという丁寧な返事が届いたそう。

普段、DMには怪しげなメッセージが届くことが多く、DMを閉じることも考えていた田中さんでしたが、今回連絡をくれた相手の方の勇気や同じ文鳥の飼い主としてその愛に感動。自身の投稿が誰かの希望に繋がったという実感もあり、DMという機能へのイメージが変わったといいます。田中さんにお話を聞きました。

■「とても清らかでいい出会いだった」

ーー経緯を教えてください

「お相手の方は、『文鳥 病名』で検索をかけ、私のツイートを見つけたとおっしゃっていました。

私の文鳥が同じ病気にかかったのは今から7年も前のことで、快方に向かって元気になって、ほっとしたタイミングで呟いたり、文鳥を飼ってるフォロワーさんと病気のことをリプで話したりもしました。なので、そのどれかを拾ってくださったのだと思います」

ーー数あるDMのなかでなぜ返信を?

「文章の内容が明らかにスパムとは違う内容で、嘘を言っているようには思えなかったからです。今まで突然来るDMは、ほとんどが出会い系目的か儲け話のスパムでした。今回も最初はそのパターンかなと思いました。

ですが、切々とお相手の文鳥の病状が綴られておりまして、本当に困っていることが伝わりました。医者には既にかかっていて、その上で飼い主として何かできることがないか、とにかく何でも教えてほしいと。何とかしてあげたい、私にできることなら…と返信を送りました」

ーー田中さんの文鳥はどのような症状だった?

「当時うちの文鳥はまだ2歳でした。ある日、糞を全くせず、ずっと震えながら踏ん張っているような状態で。便秘かと思い、連れて行った動物病院は鳥も診察対象でしたが、文鳥は専門外だったようで、医者からはただ『温めて』だけの指示でした。

家人ができる限り処置をしてくれたものの、不安でたまらない夜を過ごしました。なので、藁にもすがる思いで私にDMを下さった方の気持ちが痛いほど分かります。朝に冷たくなっていたらと、一睡もできませんでした。でも翌日の昼以降、餌も食べるようになり、糞もして、快方に向かいました」

ーー一連のやり取りを通じて。

「清濁併せ持つネットにおいて、一期一会の、とても清らかでいい出会いだったなと思います! 同じ鳥飼として、やりとりを通じて凄く優しい気持ちになれましたし、今後もそうあろうと思いました。

お相手の方が、私の返信と今の私の文鳥のツイートを見て『明るい希望になりました』『見ず知らずの他人のために色々仰ってくださり感謝しています』と言ってくださり、飼い主さんの不安が少しでも軽減されたなら、そして文鳥さんが元気になられたのなら、これ以上のことはございません。

色んな方に、それこそ有名人や芸能人にすら簡単にリプやDMを送れるTwitterですが、相手に届く言葉には慎重にならなければと思います。だからこそ、たまにこういう素敵な出会いがあると、ネットにもいい人がいるんだなと思います。皆さんが少しでも『Twitterもたまにはやるじゃん』と思っていただけたなら幸いです」

◇ ◇

平均寿命は7~8年といわれる文鳥ですが、田中さんの文鳥は8歳の今でもとても元気だそう。「相変わらず撫でてと手に乗り、何をするにも手に肩にと、常に寄り添ってきてくれます。愛らしさは若い時と変わらず、このままずっと長生きしてほしいなと思っています」

(まいどなニュース・門倉 早希)

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