婚活市場で2022年「超・株を上げた」男性とは!?…都内に住む「積極的で年収も高めな女性」も熱視線 結婚相談所の担当者が激白
■婚活開始から何年で結婚できる?
調査によると、結婚相談所からマッチングアプリまで、婚活サービスに登録した人が成婚してサービスを退会するまでの期間は10~13カ月程度だという(2017年度結婚情報サービス業調査に関する報告書・一橋大学経済研究所/JMIC)。もちろん登録した全員が1年ほどで相手を見つけられるわけではない。残念ながら結婚しないまま退会していく人もいれば、2、3カ月という爆速で成婚する人もいる。
世には婚活のノウハウが溢れている。婚活をするなかで自分が結婚にふさわしい人間であるか考え、自らの足りない部分に気づいて成長していく人は多い。しかし、なかには「そもそも婚活をスタートできない人」もいる。大手結婚相談所のツヴァイ(ZWEI)の担当者に聞いた。
ーーまずは結婚相談所が「登録をおすすめしない人」の実態を、赤裸々に語ってもらった。担当者の言葉をまとめて紹介する。
■「私の価値観はブラジル人なの」
当社のオペレーターが、資料請求をいただいた方にお電話した際のことです。
電話に出た方は女性。
「“出会いがない”なんて言う人は、ただの怠け者。出会いがないなら作ればいいのよ」
と、自信たっぷりな方でした。ほう...と思いながら、耳を傾けるオペレーター。
「私、話すのうまいからさぁ。話してると私にその気がなくても相手に惚れられちゃうのよね~。でもね、私の価値観ってブラジル人みたいな感じだから。全然合う人がいなくって。それで相談所もアリかなーと思ったのよね」
ブ、ブラジル人ですか…。困惑しながらも話を聞き続けましたが、徐々にオペレーターの言葉は止まっていきました。
「生活スタイルに合う人がいいっていうか、日本人の男性は私に合わないのよ。私に似ている人がいるなら見てやってもいいかなぁって」
ーーその後も延々と結婚観を話し続けたという女性。自信があるのは悪いことではないが、この女性のように自分の世界が完結していると、結婚相談所のようなカウンセラーと一緒に考えて相手を探す婚活には無理があるようだ。
■母親が息子のフリをして結婚診断を…
診断コンテンツをお申込みいただいた方に、オペレーターがお電話をかけたときのことです。
20代男性、お住まいは〇〇県、お仕事は会社員。連絡先は携帯番号でした。
「もしもし」
聞こえてきたのは、年配の女性の声。
「結婚相談所のツヴァイと申しますが、〇〇様のお電話でお間違いないでしょうか?」
「あのね。〇〇は私の息子なのよ」
お電話に出たのは、お母さまだったのです、しかし...。
「親御様でいらっしゃいますね。あの、今回診断をご利用いただいたご本人様はいらっしゃいますでしょうか...?」
「私の息子ね、すごいのよ!」
オペレーターの言葉を遮り、マシンガントークが始まりました。
「ちゃんとした大学も出て、仕事もがんばっているし年収もあるの。良い男なんだけどいかんせん優しすぎてヘンな女の人に騙されるのよ!だからね、母親の私が良いひとを見つけなきゃと思って申し込んだの!」
お母さまは、息子さんの診断テストをかわりに受けようとしていたのです...。
「左様でございますか…あのでも、申し訳ございませんがご本人様が契約しないと活動いただけないのですが、何かお話はされていますか?」
「あらそうなの? 母親よ私。だって私の息子、ちゃんとした大学を出て~」(以下繰り返し)
ーーそれから息子自慢の話が10分を超えたという。息子を心配する母親の気持ちもわかるが、結婚は本人の意思があってこそだ。
◇ ◇
結婚相談所は登録前のやりとりが必須で、本人の結婚への真剣度や結婚相手を求める背景を把握しやすい。だからこそ、このような「婚活スタートできない人」とマッチングされることは滅多にない。逆に審査がほとんどないマッチングアプリの婚活では、こういう人と出会うこともありうる。
ツヴァイ担当者は「マッチングアプリも出会いのチャンスを広げるサービスだと思いますが、“出会える人”と“出会えない人”がはっきり出る世界だと思います。」と評する。自分らしさを表現しやすい一方、元の顔が分からないほど加工されたプロフィール写真を載せている人や、部屋着姿の自撮りを載せている「ありのまますぎる」人などがいて、すべて自分で行う必要があるマッチングアプリでは実力差が出やすい。
「普段の自分の良さをわかってもらえたら大丈夫だと思っている方もいらっしゃると思いますが、それはライバルが多い婚活サービスの中では少しむずかしいです」と語っていた。
次は、コロナ禍だからこその、意外な形でゴールインした人々のケースについて話を聞いた。
■2022年「超・株を上げた」のはこんな男性
2022年は、とにかく遠距離の方同士のご成婚が増えましたね。
原因は長引くコロナ禍。ピークの2020年冬にはお見合いの3割ほどがZOOMで行われ、今でも多いです。「ZOOMで相手の良さがわかるのか?」と思いますよね。はい、画面越しでもこの人は自分に合わないと思う人は3秒でわかります。
逆に株を上げたのは「地方住まいの男性」でした。特に東京近郊の茨城・栃木あたりに住んでいる方。対面でのお見合いが当たり前だった時代には、都内に住んでいる婚活女性にとって地方の男性は性格が良くて生活が安定していたとしても、距離の問題がありお相手の対象になりづらかった。なぜなら結婚相談所に登録する女性は仕事に積極的で年収も高めの方が多く、結婚後も仕事を続けたい方も多いからです。
しかしテレワークが普及したことで住む場所の選択肢が広がり、地方住まいの男性への「抵抗感」が改善されたのだと感じます。いまはビデオ通話でいくらでも話ができます。婚活中の方は狙い目ですよ。
■1年半かかった婚活の終わりのきっかけは「マスク」
意外なコロナがらみの話では、こんなケースもありました。
男性側は他に会っていた方がいたものの、 価値観の違いで交際までは発展しない、そんな繰り返し。いつの間にかツヴァイでの活動歴は1年半を越えていました。モチベーションが下がり、周りへの 言い訳として婚活をしていた時期もあったそうです。
そんな中、毎月の紹介に女性のお相手の写真が届きました。女性側も長く活動している方らしく、他の方の写真と比べるとなんだか映りが良くない…。逆に印象に残ってとりあえず申込みしてみたそうです。
待ち合わせの時は当然、二人ともマスク姿でした。タイミングを見て女性がマスクを外したその瞬間…。はじめてマスクなし顔を見て「かわいい!」という思いと「なんであんな微妙な写真を使ったんだ」という疑問がごちゃまぜになったそう。そのギャップもあったのか、出会って7カ月目にプロポーズでご成婚しました。今となっては、あの写真のことはお二人の笑い話になっています。
◇ ◇
婚活は数年かかって案外あっけなく終わることもあるし、そもそも始まらない場合もある。
最後に、結婚できない人の原因について聞いてみると。
「もちろん形式を踏まえることや、基本的な礼儀作法が身についていないと難しいですね。でも、一番の問題は“自分が結婚相手に何を求めているか”がわかってないことではないでしょうか」
そう語っていた。登録前のコンサルティングでもその部分を掘り下げるという。
「そこが固まっていないと、容姿や年齢など誰でも認められる価値が結婚の条件になってしまいます。結果的に高望みになり、お相手と巡り会うことがむずかしくなってしまうのです」
(まいどなニュース/BROCKメディア)