子猫が車のボンネットに2日間 レスキュー隊による“救出劇” 小さな穴から…どうやって助け出した?

今シーズンも寒さをしのぐために車のボンネットの中に入り込む猫ちゃんが相次いだという、動物愛護団体「R&G長崎の保健所の命を救う会」(同市)の代表・浦川たつのりさん。思わぬ場所に入り込んだ猫などを救助・保護するプロアニマルレスキュー隊も務め、昨年12月に車のボンネットから子猫をレスキューした一部始終を収めた動画をYouTubeで公開しました。

助け出された子猫は、丸2日間車のボンネットの中に入り込んでいたとか。「ボンネットを開けるとエンジンルームは複雑に入り組んでおり、その奥の方に挟まっていた子猫ちゃん。私の片手がようやく入るくらいの小さな穴からレスキューしました。何とか子猫ちゃんをけがもなく無事に保護することができてホッとしています」と浦川さんは振り返ります。

■エンジンルームから子猫の鳴き声が…バンバン叩いても出てこないため、レスキューを依頼

浦川さんによると、昨年12月初旬ごろ、知人のボランティアさんから「同僚の車のエンジンルームから子猫の鳴き声が2日ほど続き、ボンネットをバンバン叩いても出てこない。助けてほしい」と依頼があったとのこと。そこで、ボランティアさんの勤め先の駐車場に駆け付けました。

「到着後、まず取り出した後に逃げ出して別の車のボンネットに入り込まないように、車の周りを金網で囲い込みました。ボンネットを開けると、奥の方に挟まっている子猫を確認。片方の手しか入らない大きさの穴から右手を入れてつかみ出そうとしましたが、子猫が暴れて穴から出せなくて…」

手袋をしていたものの、子猫をつかんだ右手をかまれたといいます。負傷しながらもレスキューの方法を必死に考えたという浦川さん。もう1つの穴を見つけ、その穴に左手を入れて子猫をつかみ、右手で持ち替える形でようやく引き出し保護することができました。

ただ、レスキュー時に子猫は興奮していたようで脳圧が上がったのか、意識朦朧(もうろう)としてぐったり。しばらくしてから呼吸が正常に戻り、すぐに捕獲器に入れてちゅ~るを食べて元気を取り戻したそうです。子猫はボンネットから保護されたので、ボンちゃんと名付けられたとか。

「一時はぐったりしていたので心配しましたが、今はボランティアさんのおうちで元気に過ごしているボンちゃん。茶トラの男の子で、レスキュー時は生後4、5カ月くらいでした。現在里親さんを募集中です。

また、まだ寒い日もありますから、車を発進する前に必ずボンネットをバンバン叩いて猫がいないかチェックしてください。出てこない場合は、私たちのようなレスキュー団体などにご連絡を!自分でレスキューする際は、手袋をしてもその上からかまれることもあるので、傷口に塗る消毒液などをご用意お願いします」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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