妊娠した私から離れていった人たち 一児の母になってつかんだ新たな人間関係 「妊婦は相手の本性を映す鏡のような存在」

妊娠をきっかけに周囲の人々の本性がわかったという女性の体験談がSNS上で大きな注目を集めている。

自身の体験を紹介したのはTwitterで美容や健康の実体験をつぶやいているいちさん(@ichi_femmu)。

「私は一児の母だけど、妊娠してよかったと思ってる」と体の変化をつづる。60cm切ってたウエストが半年で85cmまで膨らみ、脱毛でツルツルにしたはずの体からフサフサ毛が生えて、髪の毛は薄くなってバサバサにうねったそうだ。妊娠に伴う体の変化に、周囲の人の中にはあからさまに態度を変えた人がいた。以前なら用もないのに会議やお茶に誘ってきたおじさん上司が業務連絡の返事もしてこなくなったり、何度もヘッドハンティングしてきた企業担当者がピタッと声をかけてこなくなったりしたという。

一方、新たに手にしたのはかけがえのないものだった。話したことなかった子持ちの女子社員と赤ちゃんの話ですごく仲良くなり、出会ってから一番優しく夫が寄り添ってくれたりしたという。それらの出来事をいちさんはこう語る。

「妊娠して私の体は急激に変わった。でもそれ以上に、周りの人間が別人のように変わった。

下心のある人は手のひらを返して冷たく。

心の優しい人は今まで以上に優しく。

妊婦になると、お腹の子どもを守るために、相手の本性をありありと映す鏡のような存在になっていた。

近づかない方がいい人間は誰なのか。心を開いて信じられる人間は誰なのか。

本当に優しい人は、私が弱っているときに手を差し伸べてくれる人だと、妊婦という特別な状態になったから分かることができた。

赤ちゃんを守りながら、私も守られていたと思います。」

妊娠中、女性の身体が大きく変化することは知られているが、それによって周囲の対応がどのように変化するかは経験者でなければわからない貴重な意見だ。

いちさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「異性が振るいにかけられる気持ちすごくわかる。」

「病気した時も、環境変わっても、優しくしてくれる人がいることを実感したな。その逆も然り。」

「これはとても納得。1人目の時は身体が醜くなって落ち込んだけどその変化も愛おしいと言ってくれた旦那、子供産まれたことを心から喜んでくれた友達、復帰を心待ちにしてくれた職場の人にとても救われた。逆に疎遠になったり冷たくなったりする人もいるけど大切なものがはっきりして生きやすくなった。」

「環境が変わっても良くしてくれる人は本当に大切にした方がいいという定例」

など数々の共感の声が寄せられている。

■投稿者に聞いた

いちさんに話を聞いた。

ーー想像していた妊娠と実際の妊娠の違いについて、印象的だったことをお聞かせください。

いち:妊娠さんはふっくらした女性らしい幸せそうな姿なので、「赤ちゃんのためにご飯をたくさん食べて健康的なのかな」と漠然と思ってました。だけど、いざ自分が妊娠すると、つわりで食生活はめちゃくちゃ、コロナに感染してしまった時は喘息発作が起きて救急車で運ばれるなど、とても幸せな健康状態ではありませんでした。妊娠は病気として扱われませんが、肉体的には圧倒的に弱者になってしまい、ただただ恐ろしかったです。

そして、投稿にも書きましたが、主に会社関係で私が妊娠したと分かって態度をガラリと変える人が多く、反対に夫、義母、先にママになった友人など今まで以上にすごく優しくしてくれる人もいて、人間関係の変化にも驚きました。色んな意味で妊婦って特別な存在なんだなと感じました。

ーーいちさんに対し態度を変えた方たち、変わらなかった方たちについてそれぞれご感想をお聞かせください。

いち:態度を変えた人達には、特に何も感じませんでした。こんな言い方をして申し訳ないですが、元々そこまで信頼関係があったわけではなく仕事や生活のために関わる必要があったからお互い交流していたわけなので、私が妊娠して制限がかかり相手の期待に応えられなくなったので興味関心がそこで切れたのだろうと思います。つまりその程度の仲だったので、当然の結果だと受け取っています。

変わらなかったり、優しくしてくれた人には心から驚きましたし本当に嬉しかったです。私は結婚してる夫の子どもを妊娠したので、つまり私の望んだ結果、自己責任であり自己選択です。どんなに体がボロボロになっても仕事を失っても、もう成人した女性ですから、苦しくても一人で頑張らなきゃいけないと思ってました。

ですが、夫ができる限り家事や車で送り迎えをしてくれたりサポートを頑張ってくれて、義母は毎週私が食べられるおかずを作って家まで持ってきてくれました。私が妊娠中にコロナにかかって救急車で運ばれた時は、実の母のように心配しておいおい泣いていました。

ママをしている友人は、私の体調がいい時に合わせて休みをとってランチに行ってくれたり、彼女が育児の時に使ってすごく良かった抱っこ紐を新品でプレゼントしてくれたり、一緒にベビー用品を見に行ってくれたりと、私の妊娠を一緒に喜んで楽しい時間を過ごせました。

初めての妊娠でものすごく不安だったので、家族や友人の優しさが救いになりました。この時の恩は一生心に残ると思います。

ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

いち:SNSで上がる妊娠の話題は、政治絡みだったり不平不満や批判の的になることが多い印象です。

妊娠は人間にとって自然な営みです。静かな心であらためて見つめるきっかけとなったらいいなと願いを込めて投稿しました。ほとんどの反応が「納得した」「共感した」いうものだったので、つぶやいて良かったなと思っています。

◇ ◇

読者のみなさんはいちさんの体験談についてどのように感じただろうか。妊娠中の女性は程度の差はあれ心身ともにデリケートなもの。そんな相手に普段以上の優しさを見せるならまだしも「妊娠して態度が変わった」と思われるような軽薄な言動は避けたいものだ。

なお今回の話題を提供してくれたいちさんは、今月から公式ブログ「元美容クリニック本部社員いちの美容体験ブログ」をスタート。今後、さまざまな美容情報を発信してゆく予定なので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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