保護犬の多頭飼いは大変かも?「この子の弟分としてもう1頭迎えたい」ピースワンコを訪れたある夫婦
保護犬の譲渡活動を通じ、「殺処分ゼロ」の実現を目指すピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。保護犬のシェルターや譲渡センターなど全国に8つの施設があり、これまでにたくさんのワンコを保護し、里親探しをしてきました。
同団体より、烏龍という名のメスの保護犬を迎えいれた里親さんが、「この子の『弟分』として、もう1頭迎え入れたい」として再び同団体を訪れ、受け入れることにしたワンコがいました。烏龍よりも若いオスの保護犬・エテです。
■2頭目の保護犬を家族に迎え入れるまで
烏龍を迎え入れた里親さん夫婦は、もともと「2頭の保護犬を迎えいれたい」と考えていました。このことをあらかじめ同団体のスタッフに相談し、「多頭飼いが可能なワンコ」としてまず烏龍を迎えいれました。
迎え入れた当時は、コロナ禍だったにも関わらずスムーズに同団体が対応し、とても良い縁となったことから「2頭目もピースワンコから迎えたい」と考えたようです。
里親さんは、烏龍を迎え入れ家庭に馴染んだ後に、再び全国8カ所にある同団体の譲渡センターのうち、距離感の近いエリアの譲渡センターのSNSやホームページなどをチェックし、後に烏龍の弟分となるエテを見つけました。
ややウェーブがかったクセのある毛並みが特徴のエテは、烏龍と同じく瞳が綺麗。そして、どことなくこのワンコ特有の不思議な雰囲気も醸し出しています。里親さん夫婦は直感で「烏龍と気が合うんじゃないか」と思ったそうです。
■烏龍とエテのお見合い。初日からお互いに馴染む
里親さん夫婦は、同団体関連の保護犬譲渡会にエテに会いに行きまず、対面。その後、改めて譲渡センターへ、烏龍と一緒に遊びに行きました。言わば、烏龍とエテのお見合いみたいなものです。
この日のエテは譲渡センターの部屋の隅っこに座り込んでいましたが、烏龍が近寄ると、エテも少しずつ近づき、そのそばに静かに座りました。警戒している様子もなければ、「イヤだ」という様子もなく、烏龍もエテも程よい距離感で座っていました。
里親さん夫婦は何よりも、まず先住犬・烏龍との相性を重要視しており、「この子(エテ)なら烏龍とうまくやってくれそうだな」と直感で感じたと言います。
そして、エテを2頭目の家族に迎えると決めてくれました。
■保護犬の多頭飼いが実現できて本当に良かった
里親さん夫婦は当初、「保護犬の多頭飼いは大変なんじゃないだろうか?」と心配していたと言います。しかし、もともとの烏龍の優しい性格と、同じく穏やかなエテの性格によってこれといったトラブルもなく、むしろお互いに良い影響を受けて烏龍・エテともに少しずつ成長していることが感じられると言います。
特に烏龍の表情をは、エテが来てからより表情豊かになっているのも実感でき、2頭目を迎えて本当に良かったと思ったそうです。話を聞いてみました。
「保護犬は、ペットショップで売られている犬のように、初めから懐いてはくれないし、いつ心を開いてくれるかも分かりません。毎日たくさんお世話をして愛情を注いでも、触ろうとしたらビクッとして怖がられ、逃げられてしまうこともあります。それでも、私たちが注いだ愛は少しずつ届いていて、心を開いてくれる時が必ず来ます。成長を感じられる瞬間があります。
ワンコは一頭一頭個性があるので、その子によって愛情表現が違い、得意不得意や好きなもの、苦手なものも違います。苦手なことも仲間がいれば頑張ることができるし、ワンコたちの世界が広がると思っています。
安心できるおうち、生涯一緒に暮らせる家族ができることが、ワンコにとって一番の幸せだと思っています。保護犬を迎える方は、少しずつ絆を深め、本当の家族になってください。保護犬ちゃんは個性的で本当にかわいいです!」(里親さん夫婦)
保護犬が第2の犬生をおくることになり、幸せになった好例の一つと言える烏龍とエテ。同団体では今後も1頭でも多くの命を救い、幸せな生活へと導けるよう活動を続けていきます。
(まいどなニュース特約・松田 義人)