電話は絶滅する? 通話しない世代が入社→「出たがらない」「急な案件でもメール」 人事担当が克服法アドバイス

 人材系企業で人事総務兼派遣コーディネーターとして働く「しぶや」さんは先日、自身のツイッター(@wormamaantenna)に「電話研修に力を入れるべきか」と投稿しました。理由は、最近の若者はプライベートでは電話での通話はほとんどしないらしいと知ったから。「若者からしたら、話すために番号入れるんですか?なんで?って感じなのかもしれない。美容院や病院、レストランの予約も今はネットでできるし、電話する機会が日常でほとんどないもんなぁ」とつぶやきます。

■「電話研修しても電話に出たがらない」

 しぶやさんに話を聞きました。

──仕事中、電話研修が必要だと思ったことは。

「若いスタッフの中には固定電話を見るのがはじめてという人もおり、機器の使い方や使用する文言の共有など基本的な電話研修は必要だと感じています。それ以上に、最近では『心理的ハードルをどう越えるか』が悩みです。電話研修をしても、電話に出たがらないので経験が積み上がらない、急な案件でも電話で確認せずに、メールを入れて返事を待つなど、電話を使いこなすまでに時間がかかる印象です」

──投稿の中に「電話は個人の連絡手段としては無意味になりつつある」とあった。

「若い世代と話していて、電話番号の概念が薄れていると感じたんです。通話をほとんどしない上に、する場合でもアプリ経由で通話するので、番号を介さない。私自身も新しく知り合った人と番号を交換することはまずないですし、番号を打って電話をするのは仕事以外では全くないです。改めて考えると、個人間の連絡手段として電話はもう役目を終えたのではないかと感じました」

■SNSでは「会社の電話取りたくない」「電話ない部署に異動したい」の声

──最近の若者は「インスタで相互フォローしてDMで連絡をとるのが普通で、よっぽどのことがないとLINEは交換しない」とも。

「LINEはインフラだと思っていたので、使わない層がいることに衝撃を受けました。通話も無料でできるし、便利な時代になったと思っていたのですが、若い世代はそもそも通話をしないとは。コミュニケーションの取り方が世代によって違うことは肝に銘じないといけないなと思いました」

 SNSで「電話 会社」などと検索すると、「会社の電話取りたくない」「電話しなくていい部署に異動したい」「電話当番だから行きたくない」「電話が鳴ると恐怖」「電話に出ても相手の話が聞き取れない」「何言ってるのか分からない」など、重いトーンのエピソードが並びます。

 電話に悩む若者世代に向け、しぶやさんにアドバイスをもらいました。

「電話は慣れです。今は美容院の予約やレストランの予約もネットでできますが、なるべく電話を使ってみるようにしたらどうでしょうか。仕事で電話をするよりも、お客さんの立場で電話をする方がいくらか気持ちが楽だと思います」(しぶやさん)

(まいどなニュース・金井 かおる)

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