クロアチアで「拒否柴」発動 お散歩から逃げる柴犬が話題「曲がったリードが芸術作品みたい」

 ヨーロッパ南東、クロアチア共和国からTwitterに投稿された一枚の写真が注目を集めています。そこに写っているのは白を基調としたモダンな室内の中央、階段にたたずむ「拒否柴」さんの姿!

 柴犬さんのお名まえは「もも」ちゃんといいアカウント名にも使用されている通称は「ももっぷ」ちゃんです。現在4歳になるももちゃんは高知県で生まれ日本で育ちましたが、2022年6月から家族とともにクロアチアの首都ザグレブで暮らしています。

 今回話題になった写真には、柱にスタイリッシュに絡まったリードといい、こちらを見つめる凛としたまなざしといい、まるで美しい絵画を見るかのような光景が写っています。投稿には「曲がったリードが、芸術作品のよう」との声も寄せられました。

 ただ、投稿主である「柴犬ももっぷ クロアチア」(@uaremyhero)さん(以下、飼い主さん)は「逃げても無駄ですよ。お散歩行きますよ。」というひと言とともにこの写真を投稿しています。それゆえ、「ももちゃんは、なぜお散歩に行きたくないの?」という疑問の声も投稿には届いています。

 どうして、ももちゃんはかの地で「拒否柴」を発動してしまったのでしょうか?飼い主さんに詳しい話をお聞きしました。

■柴犬にしてはフレンドリーな性格のももちゃん お散歩は大好きだけどハーネスが嫌い

--ももちゃんはふだんはどんな性格の柴犬さんですか。

柴犬にしてはフレンドリーな性格なのでよく驚かれます。比較的大人しい性格なので、どのワンちゃんとも仲良くなれるタイプです。普段は寝て過ごすことが多いですが、クロアチアに引っ越してからは飼い主と一緒にカフェやレストランに行くことも多く、お店ではいつも静かにお行儀良く過ごしています。

--YouTubeチャンネルの概要欄で『犬に優しい国「クロアチア」』と書いておられましたね。

「犬に優しい」とは、ただ単にカフェやレストランに同伴できることだけを指すのではなく、犬が好きな人が多く、社会全体が犬の存在を寛大に受け止めてくれていると感じています。カフェに入るのも電車に乗るのもリードの状態ですが笑顔になる方が多いですし、一生懸命ももちゃんの気をひこうとかまってくれる人も多いです。電車で私たち夫婦とももちゃんが一緒に座れるボックス席がなかった時に、席を譲ってもらったこともありました。お散歩の時も、可愛いわねと立ち止まって撫で撫でしてくれる方もいます。

--今回のお写真を撮った時のことを教えてください。

お散歩は大好きなのですが、このハーネスがあまり好きではないのです。お散歩に行く準備段階では、毎回ハーネスを付けるのを嫌がるので家の中で逃げては追いかけるという一連の作業があります。ここ最近はおやつでお引き寄せていたのが癖になったのか、「おやつとハーネスはセット」という思考回路になってしまったようです。

--そうだったのですね。

この日はおやつ無しで何とかハーネスを付けて飼い主の準備が整うまで玄関で待たせていたところ、玄関に近い階段から2階にあるおやつをもらおうと上がって行ってしまいました。リードが2階まで伸びなかったため、階段の途中から動けなくなったようです。

--この後はどうなりましたか。

お散歩に行くよとリードを引っ張ると素直に応じてくれたものの、おやつ&ハーネスがこれ以上癖になると困るため、この日はおやつ無しでお散歩に出動。お散歩中はご機嫌でしたが、帰って来てから早速おやつの要求があり、おやつタイムになりました。最近ことあるごとにおやつを要求してくるので困っています。クロアチアのおやつが美味しくて大好きなんだと思います。

--愛らしい姿にいくつもコメントが届きました。

ももちゃんが階段の途中にいたことに驚いたのはもちろんですが、同時にリードが面白いことになっていると思って思わず写真を撮ってしまいました。「曲がったリードが、芸術作品のよう」「紐がカックーンてなってる!」とももちゃんが偶然作り上げたアートに気づいて下さった方もいて嬉しかったです。

◇◇

 ももちゃんとともにクロアチアで暮らして、はや9ヶ月が過ぎた現在、何か忘れられないエピソードはありますか?とたずねると以下のような答えが返ってきました。「ある日、パン屋にいたおじさんのところにももちゃんがトコトコと直進して行ったことがあり、おじさんが振り向いて優しく撫で撫でをしてくれました。話を聞くとつい先日18歳の愛犬を亡くしたばかりとのこと。ももちゃんは何かを察して近づいていったのかもしれません。おじさんが目を潤ませて喜んでくださったのがとても印象的でした」(飼い主さん)。

 さらに「最近は行きつけのお店も増えたので、たまに私たちだけで行くと『次は絶対ももちゃんも連れて来てよね』と言われるほどになりました。行きつけのお店にはももちゃんのファンも多いので、連れていくといつも撫でてもらったり、おやつをもらったりしています」(飼い主さん)とも話す飼い主さん。アカウントのタイムラインには遠くクロアチアの地で当地の自然や人々とのふれあいを楽しむももちゃんの姿が日々投稿されています。ぜひ見に行ってみてくださいね。

(まいどなニュース特約・山本 明)

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