WBCでも大注目、トレンド常連「加古川の人」って? 加古川市「大舞台を機に…光栄です」
野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表の試合が行われた3月10日夜、ツイッターのトレンドワードに「加古川の人」がランクインしました。この日は韓国代表を相手に、午後11時をまわる4時間4分の長い試合展開。午後9時を過ぎたあたりから「加古川の人帰られへん」「加古川の人帰れるのか」「加古川の人、東京だと大宮あたりか」などの投稿が重なり、ついにはトレンド入り。東京ドーム開催なのに、なぜ兵庫県加古川市が注目されたのか。加古川市役所の反応は。調べてみました。
■元ネタは「世界の盗塁王」福本豊さん
「加古川の人」の生みの親は、元プロ野球選手で「世界の盗塁王」の異名を持つ福本豊さん。福本さんがその昔、甲子園球場での野球解説中に発した言葉「加古川より向こうの人、帰られへんね」が元ネタといわれています。夜11時を過ぎる試合展開に観客らの終電を気にした福本さんの心遣いから生まれた名セリフでした。
ツイッターに頻繁に登場し始めたのは2010年ごろから。甲子園での試合に限らず、他球場でも終了時刻が午後11時を過ぎそうになると、お決まりのようにつぶやかれるようになりました。
16日の準々決勝イタリア戦は午後10時半過ぎに終了。ツイッターでは「加古川の人も帰れますね」「加古川の人まだ間に合うよ」など、加古川の人を使ったジョークが散見されました。
2019年8月に神戸で開催されたプロ野球中継番組のイベント「サンテレビボックス席展」では、福本さんの名言&迷言の数々を集めた「福本豊 迷!?言集ボード」が登場。「加古川の人 帰られへんね」も大きくデザインされ、阪神戦中継ではおなじみのサンテレビが認める公式名言と位置付けられていました。
■加古川市「大舞台を機に…光栄です」
「WBCのような大舞台を機会にトレンド入りして光栄です」と笑顔を見せるのは、加古川市政策企画課の担当者。
市では以前から、SNS上でのつぶやき「加古川の人」は把握していたといい、「加古川の街のことを全く知らない遠方の方にも、名前を知っていただける機会になっているのではと思っています」。
加古川市の魅力を尋ねると、「加古川は甲子園にも約1時間で行ける、交通の便のよい街です。商業施設や工場も多いですが、山や川などの自然もたくさんある住みやすい街です」とアピール。
さらに担当者は、最後にどうしてもと付け加えました。
「これだけは言わせてください。今日(3月16日)現在のダイヤですが、23時33分に甲子園の最寄り駅から電車に乗ったら、加古川まで帰れます!」(加古川市担当者)
■リアル「加古川の人」実際の顔ぶれは?
兵庫県加古川市出身の著名人には、歌手の菅原洋一さん、俳優の上野樹里さん、お笑い芸人の陣内智則さん、たけだバーベキューさんら。加古川在住の著名人には、作家の玉岡かおるさん、北京オリンピック日本代表(5000m)でスポーツコメンテーターの小林祐梨子さんらがいます。
讃岐うどん専門店「丸亀製麺」で知られる株式会社トリドールホールディングス(本社、東京都渋谷区)は、1985年8月に焼鳥居酒屋「トリドール三番館」を加古川市に創業したのが始まり。「丸亀製麺」1号店(2000年11月出店)も加古川市内にあります。
加古川市に本社を置く企業としては、「業務スーパー」を展開する神戸物産、人工肥料で知られる多木化学株式会社、電機・精密の株式会社大真空などがあります。
(まいどなニュース・金井 かおる)