身体を震わせて「シャー!」…人馴れしていなかった子猫は、かけがえのない存在に 夜寝る時は「家族と一緒」の甘えん坊

琴音ちゃん(2歳・メス)は、2020年8月20日の夕刻、気温37度を超える猛暑の中、段ボールに入れて捨てられていた。まだ子猫だった。保護した人が会社に連れ帰り、みんなに子猫を見せた。

大阪府に住む小泉さんには当時7歳の息子がいた。とても動物が好きで、一人っ子だったこともあり、夫妻はいつか動物を飼いたいと思っていた。すぐに飼うつもりはなかったのだが、会社で琴音ちゃんを見た夫が連絡してきた。

「写真を見て、私も息子もひと目見て気に入りました。これは運命だと思い、家族に迎えることにしました」

あまりにも急だったので、猫を迎える準備が全く整っておらず、一旦、夫の勤務先の事務員さんが実家で預かってくれることになった。

■身体を震わせて、「シャー!」

事務員さんに託す前、小泉さんは琴音ちゃんを見に行った。琴音ちゃんは人に慣れておらず、体を震わせながら「シャー!」と威嚇してきた。翌日、事務員さんのお母さんが琴音ちゃんをお風呂に入れて、動物病院にも連れて行ってくれたという。保護猫と数匹の犬を飼っている人だったので、扱いにかけてはベテランだった。

その後、小泉さんが琴音ちゃんを引き取りに行くと、だいぶ人に慣れていたそうだ。息子が、「女の子だったらコトネという名前にしたい」と言ったので、琴音ちゃんという名前になった。

■かけがえのない存在

琴音ちゃんは怖がりで、猫なのに階段から脚を踏み外すなど鈍臭いところがある。なぜか小泉さんがトイレやお風呂に入る時だけ一緒について来て、出るまで待っていてくれる。夫と息子にお腹を撫でられるのが大好きなのだという。

小泉家は2階がリビングで、3階が寝室。琴音ちゃんは目がトロトロになるほど眠たくても、夜は2階では眠らない。「琴音、寝るよ~」と声をかけると、家族と一緒に3階に上がって一緒に寝室で眠る。

「私も夫も実家で猫を飼っていたのですが、みんな好きな時間に好きな場所で寝ていたので、こんなことは珍しいと思います」

小泉さんにとって琴音ちゃんはなくてはならない大切な家族の一員。

「ベランダで外を眺めるのが好きな琴音は、夜中に『どうしても出たい、窓をあけて』と言うことがあります。早朝に起こされることも多々ありますが、可愛いから許してしまいます。毎日本当に癒されています。これからも元気で、1日でも長く一緒にいられたらと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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