構ってアピールでも「気安く抱っこするのはヤメて!」先天性小眼球症のパピヨンの保護犬 飼い主さんの胸で安心して眠るまで

先天性の小眼球症ですが視力があり、前向きな性格でもあるパピヨンの保護犬・ジュンちゃん。2022年春に保護犬団体・smilewanに引き出され、団体にいる他のワンコたちと一緒に第2の犬生をつかむことを目指すことになりました。

最初こそ、ややおとなしかったジュンちゃんですが、環境になじむとその明るく前向きな性格と女王さま気質の片鱗が見え隠れするようになりました。

■高いところに登って、見下ろすことを好むジュンちゃん

ジュンちゃんはとにかく元気でイタズラや遊びも大好きなワンコ。そして、「構ってアピール」がとても上手。他のワンコを押し除けていくこともあり、かなりの女王さま気質であることが伝わってきました。また、高いところに登りたがり、他のワンコよりも高い位置から見下ろすことを好みます。ときにはスタッフの背中の上に登ってしまい、困らせてしまうことも。

しかし、このジュンちゃん特有の言動やコミュ術が実にかわいらしく、そして楽しいものでもあります。ですが、抱っこしようとすると、「気安く抱っこするのはヤメて!」と言わんばかりに嫌がることも。誇り高く、そして自由なジュンちゃんの言動は、多くの人たちの心をつかんで離しませんでした。

■ジュンちゃんの里親希望者さんが!

先天性小眼球症ですが、目が見えないわけではなりません。お腹がゆるくなりがちで、慣れない環境では「トイレをする場所」を見誤ってしまうこともありました。ジュンちゃんの持病やクセは他にはなく、保護された年の暮れにはsmilewanのスタッフにより避妊も実施されました。

お見合い会(譲渡会)に連れていっても多くのお客さんの心を掴んで離さないジュンちゃんでしたので、「新しい里親さんはすぐに見つかるだろう」とスタッフは考えていました。その予感通り、今年に入って優しい里親希望者さんと出会い、見事のこの方の家へと迎え入れられることになりました。

■嫌がっていた抱っこも、里親ママさんなら大丈夫

ジュンちゃんを迎え入れることになった里親希望者さんは、お見合い会(譲渡会)でジュンちゃんに一目惚れ。すぐに迎え入れる決断をして、ジュンちゃんが家に来る前から、ジュンちゃん用のハウス、オモチャ、消耗品などを細やかに準備してくれていました。

初めてのお家で、ジュンちゃんはやや緊張気味でしたが、持ち前のバイタリティで自慢の「お座り」を披露しました。さらに、このお家の隅々までを細かく確認して回り、女王様らしく振る舞おうとしていた一方、やはり緊張していたのか、毛布にくるまって粗相をしてしまうトイレ失敗も。

でも、それらを含めて「かわいい」と受け入れてくれる優しい里親のママさん。最終的には、ジュンちゃんが嫌がっていたはずの抱っこをママさんにしてもらい、その腕中でジュンちゃんはグッスリ眠ってしまいました。

これから長い時間をかけて、ジュンちゃんはこのお家のワンコとして幸せな生活をおくることになります。Smilewanのスタッフは最後にこんな風に語ってくれました。

「本当に良かったです。ずっと他のワンコと過ごしてきており、初めてひとりっこになるので、最初は慣れないだろうし、夜鳴きもするかもしれませんし、トイレの失敗もあるかもしれません。でも、ジュンちゃん本来の愛くるしい性格はもちろん、里親さんの優しさによって、きっと幸せな第2の犬生になるはずです。これから先ずっと、ジュンちゃんが幸せな生活をおくてれることを願っています」 

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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