歯は半分、お腹には帝王切開の痕…何歳で、どんな暮らしをしていたかも分からない猫を保護して「良かったと思ってくれたら」
■迷子なの?捨て猫なの?
ルシファーちゃん(10歳以上・メス)は、2021年12月末、川本さんがTNRした猫たちに庭でごはんをあげていたら現れた。
「初めて見る猫でした。小ぶりで、まだ1歳になっていないような感じでした。耳カットをしていないから飼い猫かな?と思ったのですが、最初は近づくと逃げてしまうのでよく分からず。しばらくすると逃げなくなったのでよく見てみたら、猫風邪をひいていて、長い毛が汚れていました。この子は飼い猫ではなく、迷子か捨て猫だなと思いました」
川本さんはルシファーちゃんを正月に保護して、暖房の効いた部屋に入れた。病院が始まるのを待って受診すると、高齢で、歯は半分無くなって、残っている歯もひどい歯肉炎になっていた。歯は抜歯手術した。
「ついでに避妊手術をしようと思ったら、帝王切開をした跡がありました。耳カットはしていないけど手術痕はある。やはり飼い猫だったんです」
■14匹目の猫になる
念の為、警察や保健センターに問い合わせたが、探している人はいなかった。
「里親を探そうとしましたが、年齢不詳で若くはないし、環境が変わるのはかわいそうなので、我が家の14匹目の猫になりました。大人猫だったけど、先住猫たちはすぐにルシファーを受け入れてくれました。感謝しています」
ルシファーちゃんはまだ1年も一緒に暮らしていないのに、ずっと前からいるボス猫のようだという。少しわがままで、すぐに怒るところが可愛いそうだ。爪切りとか目やにを拭かれるのが大嫌い。お手入れをすると怒って部屋から出ていき、廊下にいる。
「何歳かわかりませんし、どんな暮らしをしてきたのかも分かりません。謎だらけだけど、『この家に来て良かった』と思ってくれたら嬉しいです」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)