【無償化だと思っていたけど…】子どもが高校入学→予想外の出費の多さに衝撃 1年目にかかるお金は? 節約方法をFPが解説

「1人目の娘が高校に入学した1年間は、本当にやり繰りに苦労しました。思っていたよりも、いろいろなものにお金が飛んでいって…」と話すのは、4人のお子さんをお持ちのNさん(40代女性、自営業)。

「高校は実質無償化と言われているし、子どもは公立に行く予定。中学の時と同じように、高校に入学しても、お金は毎月の生活費の中から出せるだろう」と思い、教育資金を積み立てている学資保険も、全額を大学入学に合わせて受け取るタイプにしていました。しかし義務教育時代とは異なる「予想外の出費」の多さに、驚いたそうです。具体的に「何にいくらかかったのか」を尋ねてみました。

■教科書だけで2万円超!無償だった小・中学校がありがたい

「制服や体操服が高いのはわかっていましたが、教科書代が2万円を超えるとは……」と、Nさんはまず教科書代の高さに驚いたそうです。小学校・中学校では無償で提供されていた教科書。それが高校では、教科書代(副教材含む)が2万255円かかったそうです。Nさんのお子さんは公立高校の理系コースだったそうですが、文系もそれぐらいだったようです。

さらに、英和辞典、国語辞典、古語辞典、漢和辞典などの辞書の購入を求められましたが、これは人から譲ってもらったりして、2940円でおさめたそうです。ただ、用意するように学校からいわれたものの、授業ではほとんど電子辞書を使用していたらしく、ほとんど使っていないとか。他に、理系コースのみ統一してノートパソコンの購入があったらしく、これが8万7366円と高額で、なかなかしんどかったそうです。

教科書・辞書・ノートパソコンなどの学用品を合わせると、なんと11万561円!なかなかの出費であることがわかりますね。ただ、入学準備はこれだけではありません。

■制服や体操服、何枚買う?洗い替えは?よく相談して購入しましょう

制服や体操服、かばんに上靴・体育館シューズなどには、10万1740円かかったそうです。

中学校の時は、夏服(半袖)や合服(長袖)は、学生服用の白のブラウスなら指定でなくても大丈夫だったので、スーパーで安く購入することができました。対して、高校の制服は、半袖も合服も指定のセーラー服だったので、中学校の制服より高くつきました。

ただ、Nさんは「制服についてもっと調べておけば節約できたのに…」と言います。というのも、最近の女子高生は半袖の制服を着ない傾向にあるようなのです。「娘の高校だけかと思ったけど、最近はわりとそういう女子高生が多い」そうで、学校によっては男子生徒もあまり半袖を着ないとか。

Nさんは、洗い替えにと夏の半袖と合服の長袖のセーラー服を2枚ずつ購入したのですが、結局半袖の制服はほとんど着ていないそうで、「無駄な買い物をした……」とショックを受けていました。制限のある制服の「袖まくり」をするのがおしゃれなのだとか。娘さんに「せっかく買ったのに!」と言っても「日焼けしたくないし~」と言われるそう。

制服販売の日は、多くの生徒や保護者で混雑し、ゆっくり考えている時間もないので、どれを何枚買うか、というのは、事前に考えておいた方が良さそうです。

■授業料は支援金で無償になったとしても…「その他の引き落とし」がけっこうある!

高等学校等就学支援金制度は、世帯構成などによって違いますが、受給資格を満たせば授業料が無償になる制度です。Nさんの世帯も受給対象世帯だったのですが、その他にかかる費用が思っていたよりも大きかったと言います。

「学年費」「PTA会費」「同窓会費」「生徒会費」「課外活動振興費」などの引き落としが、年間で9万7475円ありました。中学校1年生の時の引き落としは4万5854円(給食費除く)だったので、その負担は大きく感じたそうです。さらに、電車通学だったので定期代が年間で7万2040円かかったのも財布に痛かった…と話してくれました。

■高校入学時に備えてまとまったお金は必要!

結局高校1年目でかかったお金は総額で38万1816円でした。

   ◇   ◇

・教科書・辞書・ノートパソコンなど 110,561円

・制服や体操服、かばんに上靴・体育館シューズ 101,740円

・その他の引き落とし 97,475円

・定期代 72,040円

   ◇   ◇

他にも部費のお金や試合などに行く交通費など、ちょこちょことお金が必要だったというNさん。2年目、3年目にも学校諸経費の引き落としや定期代、追加で購入する教科書などのお金は継続してかかります。

Nさんはまだ下にお子さんが3人いらっしゃるため、娘さんの反省をいかしてお金の用意や下調べなどを行い、節約できるところはしていきたいそうです。具体的には…

▽制服や体操服のお下がりがもらえるように、ママ友付き合いを大切にする

▽制服や体操服などは、在学中のお子さんがいるママ友にリサーチして、何を何枚買うか事前に調べておく

▽定期代がどうしても厳しい時は、徒歩、自転車通学が可能な学校も選択肢に入れる

…などを、下のお子さんたちの入学時には気をつけておきたい、と言われていました。

また、「高等学校等就学支援金制度」とは違って、「高校生等奨学給付金」という制度もあります。これは、「授業料以外の教育費負担を軽減するため、高校生等がいる低所得世帯を対象に支援を行う制度」です。教科書費や、学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費等などが対象になります。

さらに、学校によってはさまざまな奨学金制度を用意してくれています。家計が厳しい世帯は、積極的に学校へ問い合わせてみましょう。

(大田 亜由美/ファイナンシャルプランナー・整理収納アドバイザー・防災士)

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