好きな相手を指名して2人で記念撮影 保育園のひな祭り会で誰からも選ばれなかった娘 幼い心に深い傷を負った

先日のひな祭りはどのように過ごされましたか?保育園や幼稚園では季節ごとにさまざまな行事が行われますよね。園の行事を通じて季節を感じ、日本の良き風習を改めて感じられるのは嬉しいことです。ひな祭りの会を開いた園も多いでしょう。

しかし、価値観が多様化する今の時代では、昔ながらの行事のやり方に疑問を持つこともあるようです。U子さんは娘が通う保育園で行われたひな祭り会の内容を聞き、いくつかの問題点に気づきました。

■娘は保育園のひな祭り会をとても楽しみにしていたけれど…

U子さん(千葉県在住、30代、会社員)には保育園に通う娘(年長6歳)がいます。子どもたちが楽しめるように、保育園では季節ごとにたくさんの行事が企画されていました。娘は保育園が大好きで、いつも行事について笑顔で報告してくれます。

しかし、年長クラスで行われたひな祭り会の日にU子さんがお迎えに行くと、娘は明らかに元気がない表情でした。何かあったのか聞くと、娘はひな祭り会について話し始めます。娘から聞いたひな祭り会の内容に、U子さんはとても驚いてしまいました。

■保育園のひな祭り会…娘から聞いた驚きの内容

保育園のひな祭り会では、女の子はお雛様、男の子はお内裏様の衣装を着て写真を撮ることになっています。U子さんは毎年かわいい衣装を着た娘の写真を楽しみにしていました。娘も喜んでいて、今まで問題を感じたことはありません。

ところが、今年は「好きな相手を指名してカップルで写真を撮る」と保育士が言い出したとのこと。もうすぐ卒園を控えた年長クラスなので、保育士は思い出作りをしようと思ったのかもしれません。U子さんの娘は仲良しの男の子を指名し、ツーショットを撮りました。

問題はこの後に起こります。娘が指名した男の子は、別の女の子を指名したのです。ツーショットの写真では、ひな祭り会に合わせて可愛い髪型にした女の子や、普段から男の子と良く遊ぶ女の子に人気が集まってしまいました。

■「自分は選ばれなかった…」と落ち込む娘

娘の話によると、自分だけが誰からも選ばれなかったとのこと。楽しいはずのひな祭り会で、娘は悲しい気持ちになってしまいました。もしかしたら、他にも選ばれない女の子や男の子がいたのかもしれませんが、それでも傷ついた気持ちは変わらないでしょう。

ひな祭り会で撮った写真は、後日園児たちに配布される予定です。人気のある子はたくさんの写真が配られますが、娘はたったの1枚だけ。写真を渡されたとき、娘はひな祭り会で感じた悲しい気持ちを思い出してしまうに違いありません。

■まるで人気投票のようなやり方に疑問

U子さんはまるで人気投票のようなひな祭り会の内容に、大きな疑問を感じました。写真の枚数も不公平ですし、LGBTの観点から「女の子だからお雛様、男の子だからお内裏様の衣装を着る」と安易に考えることが問題だと思う人もいるでしょう。

なにより、楽しむための行事で子どもが傷つくのは本末転倒ではないでしょうか。明らかに人気の偏りが目に見えたはず。「保育士たちは子どもの人間関係を傍観しながら楽しんでいたのでは…」と、U子さんは疑心暗鬼になりそうです。

■子どもが傷つく内容でも許容すべき?

今回のひな祭り会について、U子さんは娘が傷ついたことと内容の問題点について、保育園に相談すべきか悩んでいます。「娘はもう卒園だけど、来年また同じようなひな祭り会だったら、娘のように傷つく子どもがいるかもしれない」と思うと、居ても立っても居られない気持ちになりました。

しかし、保育園に相談してギクシャクする可能性を考えると「なにも言わずに卒園するべきなのか」とも思ったそうで、結局具体的なアクションを取ることはありませんでしたが、要望を伝えるべきだったのでしょうか。保護者たちからは以下のような意見も寄せられています。

▽いつの時代でも、どこでも起こりうること。そんなに目くじらたてて保育園に苦情をいうほどのことでもない気もする。(30代 会社員)

▽選ばれたい子もいれば、特定の子に選ばれたくないと言う子もいる。子ども同士は好き嫌いがあるので、角がたたないようにグループ写真くらいにしておいたほうが無難かもしれない。(30代・パート勤務)

▽女の子だからお雛様、男の子だからお内裏様は確かに前時代的かも。「好きな方選んで着よう」でいいと思う。(20代・事務員)

▽ねるとんを思い出した。人気を集めるタイプはどこにでもいるもの。別に大多数にモテるからって幸せになれるわけではないけど、そこまでまだ理解できないと思うし。こんな不満が出るなら、いっそくじ引きにでもしたらいいんじゃない。(50代・主婦)

▽選ばれなかったことを悲しいと思う子は、それをバネにして成長できる子。コミュニケーションや見た目の手入れなど、そういったことに興味をもつきっかけにもなる。こうした傷も、個性を自覚していく過程で必要な経験だと思う。(40代・飲食店勤務)

(まいどなニュース特約・わたなべ こうめ)

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