「こいつだけは渡さん!」多頭飼育崩壊招いた男性が拒み続けたミックス犬 ずっと鎖につながれ散歩が苦手だった
犬たちの過酷な状況を報告した奄美大島の多頭飼育崩壊。全国から集まった心ある保護犬団体やボランティアが約60頭のワンコを保護しましたが、東京・足立の保護犬カフェ・PETSスタッフもこのうちの1人でした。
PETSが引き取ることになったうちの1頭が、モフ王と呼ばれるふわふわ毛並みのミックス犬でした。
■一度は保護されるも、元飼い主から連れ戻される
複数の団体が、ワンコたちを保護し引き取っていきました。しかし、モフ王については飼い主が「こいつだけはダメ」と引き渡しを拒み、保護後も再度鎖につないでしまいました。当のモフ王も、突然やってきた見知らぬ人間たちに連れていかれるより、劣悪な環境だとしても元の状況の方が安心できるのか、連れ戻されるとホッとした表情を浮かべていました。
■後日、放し飼い状態になったモフ王を保護!
PETSスタッフは、モフ王の表情を忘れることができないままでしたが、東京に戻ってある日のこと。全国の団体やボランティアが奄美大島を去った後、現地で活動を続けていたじゅんこさんという方から1本の連絡がありました。
なんらかの理由で飼い主が繋いだモフ王の鎖がはずれて脱走したようで、「放し飼いのような状態で近隣を歩いているのを見た」と言います。
じゅんこさんはモフ王の保護を諦めず、何度かの挑戦を経て保護することに成功しました。
■モフ王と『モナ王』を送ってくれたじゅんこさん
その知らせに、喜ぶPETSスタッフでした。同時期、同団体の施設は保護犬たちでほぼキャパに達していましたが、じゅんこさんが力を尽くしてくれ、あの日、どうしても忘れられなかったモフ王でもあり、同団体で引き取ることにしました。
じゅんこさんは現地でモフ王を綺麗にトリミングしてくれ、東京のPETSまでモフ王を送ってくれました。そして、同時にアイスの『モナ王』まで送ってくれるというシャレ付きでもありました。
■おとなしめで人見知り。穏やかな性格
PETSスタッフはモフ王にメディカルチェックをし、日々お世話をすることにしました。
当初モフ王は奄美大島の多頭飼育崩壊の民家でずっと鎖に繋がれて育ったせいか、当初は東京での散歩はちょっと苦手のようでした。しかし、何度かのトレニーングですぐに歩けるようになりました。
また、日々スタッフが接してわかったモフ王の性格は、かなりおとなしめで人見知りだということ。1頭で過ごすことが好きな様子ですが、かと言って他のワンコを極端にいやがるわけではありません。人間も大好きで穏やかなワンコでした。
現在、PETSでは、こんなモフ王に里親さんを募集しています。
「モフ王は、推定2歳前後のミックス犬です。体重13kgの中型犬で、モフモフした毛並みですが、伸びると意外とロン毛だったりします。おとなしいワンコで、人見知りはしますが、すぐに馴れます。里親希望者さんは、ぜひお問い合わせいただければ幸いです」
PETS
https://ameblo.jp/pets-adachi203/
(まいどなニュース特約・松田 義人)