猫を亡くした悲しみを癒してくれたのは、肉親を亡くした猫たちだった なかなか里親が決まらなかった2匹が変えた喪失の日々
■なかなか里親が決まらない兄弟
レイくん(9歳・オス・キジトラ)、アロハくん(9歳・オス・茶トラ)は、3匹兄弟だった。親猫ともう1匹の子猫は交通事故で亡くなり、残された2匹がレイくんとアロハくんだった。2匹は地元の人に保護され、個人で保護猫活動をしている人が引き取ったという。
広島県に住む八木夫妻は猫を2匹飼っていたが、2013年2月、1匹の猫が他界した。夫妻や残された猫は、どうしようもない寂しさを感じていた。
「私は保護施設で抱っこボランティアをしていました。保護猫を飼っていたので保護猫活動をしている人と繋がっていて、10年くらい前から子猫を抱っこするボランティアをしていました。レイとアロハには保護施設で何度も会っていたのですが、この子たちはなかなか里親が決まりませんでした。私たちにとても懐いていたので、思い切って2匹一緒に迎えることにしたのです」
■隠れ甘えん坊と大きなベビーちゃん
8月18日、2匹を自宅に連れ帰った。2匹は最初、ケージの中で緊張し、身を固く強ばらせていた。
「先住猫のことも警戒してシャーシャー言っていたのですが、2日も経たないうちに慣れてきて、1週間ほどで先住猫とも仲良くなりました」
レイくんは長男だが隠れ甘えん坊。八木さんがソファに座ると、すぐに膝に乗ってくる。アロハくんは一番大きいが、生涯ベビーちゃん。マズルが大きくぷくぷくしている。2匹を迎えたことで、猫を亡くした悲しみもいつしか癒えていったという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)