大阪→関西空港へ…特急「はるか」が「リムジンバス」よりも安くなる? JR西の秘密兵器「J-WESTチケットレス390」

3月18日にJR大阪駅(うめきたエリア)が開業したことにより、関空アクセス特急「はるか」が大阪駅に止まるようになりました。一方、JR西日本は3月20日から「J-WESTチケットレス390」の販売を開始しました。実はこれ、知る人ぞ知る秘密兵器のように、ものすごい破格な切符なのです。

■「はるか」=高い、というイメージを壊す切符

関西に住んでいる方ですと、「特急『はるか』=高い」というイメージが定着しているように感じます。確かに、「はるか」普通車指定席(通常期)の正規価格を見ると大阪~関西空港間は計2940円、京都~関西空港間は計3640円もします。

ライバルの空港リムジンバスの価格は大阪駅前~関西空港間が1600円、京都駅前~関西空港間が2600円ですから、「はるか」の割高感はぬぐえません。

そんなイメージを覆す切符が「J-WESTチケットレス390」です。この切符は「はるか」「こうのとり」「くろしお」をはじめとする関西エリアの特急列車の普通車指定席が乗車券プラス390円で利用できる優れモノ。しかも、全区間一律の390円です。

利用範囲は北は東舞鶴駅・福知山駅、西は姫路駅、東は米原駅、南は関西空港駅・紀伊田辺駅です。

「J-WESTチケットレス390」利用時の「はるか」普通車指定席の価格は大阪~関西空港間が計1600円、京都~関西空港間が計2300円です。つまり、空港リムジンバスと比較すると、大阪~関西空港間は同額、京都~関西空港間は「はるか」の方が安くなります。

昼間時間帯における「はるか」の所要時間は大阪駅から関西空港駅までが47分、京都駅から関西空港駅までが80分です。

空港リムジンバスは大阪駅前(新阪急ホテル)から関西空港第一ターミナルまでが50分、京都駅八条口から関西空港第一ターミナルまでが88分です。大阪駅(うめきたエリア)の開業により、所要時間で「はるか」が空港リムジンバスに並びました。

■平日のみ利用できる「J-WESTチケットレス390」

このように超オトクな「J-WESTチケットレス390」ですが、いくつか注意点があります。利用・発売期間は4月28日までとなり、利用日は平日に限られます。つまり、土休日やゴールデンウイークは使えません。次に「J-WESTチケットレス390」は席数限定で、乗車日前日・当日に予約できます。

また「みどりの窓口」では購入できません。JR西日本サイト「e5489」から予約します。筆者も「e5489」から「J-WESTチケットレス390」を予約しました。予約後に予約完了を知らせるメールが届き、乗車日当日は交通系ICカードなどで改札機を通り、メールに明記された席に座ればいいだけ。車掌による検札もなく、実に快適でした。

■オンラインでの購入が常識となる

4月4日現在、「J-WESTチケットレス390」の販売自体は4月28日で終了します。一方、コロナ禍以降、JR西日本は特急列車の普通車指定券のチケットレス化に力を入れていることから、4月29日以降も何かしらの形で関西エリアを対象とする格安チケットレス商品を販売することは十分に予想できます。

JR西日本では「J-WESTチケットレス390」以外にも「WEB早特7チケットレス特急券」などのチケットレス商品を販売しています。SNSでは主要駅にある「みどりの券売機」の前にできた行列の写真を見かけます。

チケットレス商品ですと、「みどりの券売機」に並ぶ必要もありません。値上げが相次いでいる中、「J-WESTチケットレス390」などを利用することにより、おトクに時間の節約をしながらJR特急列車を利用したいものです。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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