【ほんまに?】「ホンマーニ・イヤー・サ・レール」「オイシスギール・タルト」… ケーキに妙な名前を付ける大阪の店 シェフが明かす意外な理由
「ホンマーニ・イヤー・サ・レール」「グ・ルーグ・ル・マ・ワール」「オイシスギール・タルト・ショコラ」…。小林製薬の商品名か、はたまたドラえもんのひみつ道具か。いえいえ、実はこれ全部ケーキの名前なんです。
「こんなに可愛くてお洒落なケーキ屋さんなのに、商品名がこれなの、流石大阪って感じ」というnaokoさん(@naokosandesu)の投稿を機にTwitterで大きな注目を集めたのは、大阪府羽曳野(はびきの)市に本部を構える洋菓子、和菓子製造販売会社「フラワー」。大阪南部を中心に数々の店舗を展開し、なんと自社農園まで有する本格的かつ健康志向の 「南大阪のオンリーワンショップ」です。
「30年もケーキを作ってきたんで、商品名を考えることに飽きてしまったんですよね。フランスっぽい名前を真面目に考えても、全然面白くない。正直、“オシャレでカワイイ”はもうたくさんなんですよ…」
独自のネーミングについて取材を申し込むと、代表取締役兼「百姓シェフ」を名乗る植松太施さんが快く応じてくれたのですが…のっけから本気なのか冗談なのか判断しにくい発言が。「ケーキの名前なんて何でもええわい、という気持ちが強くなってきて、どうせならいっそ笑える名前を付けてみようかと。それが5年くらい前のことです。今はニヤけながら名前を採用してますよ。人生、やっぱり面白くないとね」と植松さんは畳み掛けてきます。
ちなみに記念すべき第1号は、おそらく「キッター・ラ・タ・マゴ」ではないか、とのこと。「ドーム型のケーキを切ると中はゆで卵みたいな色使い。外側はココナッツの白いムース、中身は黄色のパッションのムース。あんまり面白くないスタートですね」と自分のセンスにやたら辛口な植松さんなのでした。
これまでに付けた名前で特に印象深いものがあるか尋ねると、「伊勢エビのチョキ」と即答。伊勢エビのハサミに似た形のケーキだったそうで、「思わず『ん?』となるような名前で、手応えを感じました。『中に伊勢エビが入ってるんですか?』とお客さまから真顔で質問されたときは、ずっこけましたけど」。
他にも「ピピピピピピンク。ピ。」「がんばげんまいすかしぴすたちお」「ナツー・ナ・ラコレ・ヤーデ」「セヤッロ・コレヤッロ・かふぇ・ウーン」などなど、独自の道を突き進むフラワーのケーキ名たち。「コロナ禍で暗いムードが漂う中、ケーキの名前を見てテンションを上げてもらいたい」という願いも込められているそうです。
Twitterで話題になったことについては「気づいてもらって嬉しい」と素直な植松さん。「味に関してはとことん真面目なので、見かけたらぜひ試してみてください」とPRしていました。
なお、記事で紹介したケーキはすでに販売が終わったものもあります。
(まいどなニュース・黒川 裕生)