「国民を苦しめるゲス野郎」小4の息子が口悪く政治家批判 だれの真似?ネットの影響?…困惑する父親
春は新年度予算案などを審議する国会も行われており、メディアで政治問題を取り上げる機会が増える時期です。特に今月は統一地方選が行われていることもあり、家族でニュースを見ながら政治について話し合う機会も増えるでしょう。家庭で政治に触れることで子どもの関心が高まるのは良いことですよね。
しかし、大人が政治に対してどのような態度をとるのか、子どもは想像以上によく見ているものです。自営業のM太さんは、最近小学生の息子が政治家を「ゲス呼ばわり」することについて悩んでいます。
■10歳の息子が政治批判
M太さん(高知県在住、40代、自営業)には息子(10歳、小4)がいます。夕飯は家族で食べるようにしているのですが、最近息子が政治批判をするようになったことが気になっていました。「政府は増税しかしない」「ダレソレは国民を苦しめるゲス野郎」など、非常に口悪く政治批判をするのです。
もっともらしく政治批判する息子に「どんな増税をしているか知ってる?」「どうして国民が苦しめられていると思うんだ?」とM太さんは質問してみました。しかし、息子は突っ込んだ質問には答えられません。「良く知らないのに批判だけするのは違うんじゃないか?」と、穏やかに注意すると「パパだって政治家を悪く言うじゃん」と息子はそっぽを向いてしまいました。
■インターネットの影響も受けている様子
息子の指摘に、M太さんはすぐに反論できませんでした。確かに、ニュースを見ながら「国民を苦しめるばかりじゃないか」「これじゃダメだ!」と声を大きくして批判した記憶があるからです。とはいえ、まだ納税者でもない10歳の息子が政治家たちを呼び捨て扱いすることに、M太さんは「これでいいのか」という疑問を持ってしまいます。
また、息子は政治批判だけではなく、芸能人のニュースに対しても辛口です。M太さんが知らないスキャンダルを知っていて「大人ってマジでくそ」と悪態を吐きます。息子はどうやらインターネットニュースやSNS、動画などで情報を得ているようです。言葉遣いが悪くなったのは反抗期に入ったからだと思っていたM太さんですが、インターネットの影響を大きく受けているのかもしれません。
■「このままでいいのか…」急に不安になったM太さん
親子の会話で政治家や有名人を批判するだけなら、家庭内で向き合って話し合いができるでしょう。しかし、親の目の届かないところで、息子が有名人や著名人を批判したら?インターネットに悪口を書き込んで炎上したり訴訟を起こされたりしたら?…M太さんは急に不安になってしまいました。
「親として、有名人に対しては『敬う姿勢』を息子に教えるべきではないのか?」…そんなことをM太さんは妻に相談しましたが「難しく考えすぎじゃない?」と言われてしまいました。確かに、反抗期に入った息子ですが、まだまだ素直でかわいいところはたくさんあります。
■ネットリテラシーを含めてじっくり話し合いたいけれど…
それでも、M太さんはやはりこのままではいけないと考えています。将来的には社会に出ていくのですから、有名人や著名人をむやみに批判すれば、常識や品位を疑われてしまうかもしれません。直接的な関わりがないからといって、メディアに出る人物を一方的に批判するのは問題でしょう。
M太さんはネットリテラシーも含めて息子とじっくり話し合いたいと思っています。しかし、どのように説明すれば良いのかわかりません。メディアに出る人物への敬意について、どのように伝えれば子どもに分かりやすいのでしょうか。
家庭ではどのような話し合いや教育をしているのか、保護者の方々にお話を聞いてみました。
▽奈良県・8歳男児の保護者
WBCの野球中継でさえ、名字だけでなく「~選手」と敬称をつけての実況中継するのを、ご時世だなと、自らの言動を改めなければならないと思いました。大人には敬意をもって接して欲しいと、8歳の息子に教育したいと思っています。
▽千葉県・中学生の保護者
政治家でも尊敬に値しない方も確かにいる。家庭内での政治論評はあってしかるべき。テレビでも芸人やタレントは皆呼びつけなので、敬称をつけるのは難しい。ただ、それとネットリテラシーの問題とはまた別のこと。ネットの書き込み等については、注意を払わなければならない。
▽福岡県・50代主婦
家庭とネットの誹謗中傷、公私の使い分け、線引きについて子どもにしっかり教育させてあげればいいのでは?
(まいどなニュース特約・わたなべ こうめ)