「トイザらス」の「ら」はなぜ平仮名書き? 英語のロゴマークも…「Я」と左右が逆転状態!【間違えやすい社名のフシギ】
玩具量販店として有名な「Toys“Я” Us」のロゴは、なぜ「Toys“R” Us」ではないのか。日本語の表記も「ら」だけ平仮名で「トイザらス」と書く。きっと何か理由があるに違いないというわけで、日本トイザらス株式会社のPRコミュニケーション課に聞いてみた。
■“Я”表記の由来は幼い子供が書く鏡文字がヒントに
米国発祥の玩具量販店「トイザらス」は、なぜか「ら」だけが平仮名で表記されている。英語表記のロゴも、「Toys“Я”Us」で「R」の鏡文字になっている。
鏡文字とは、鏡に写したように左右が逆転した文字のことで、文字を書き始めた幼児期の子供に、世界共通でよく見られる現象だ。もっとも「Я」はキリル文字で「ヤー」と発音するが、同社では「R」の鏡文字として敢えて「Я」を使っている。
ロゴマークに鏡文字を使っている理由を、広報担当者が説明してくれた。
「まず社名の由来は、アメリカのトイザらス創業者チャールズ・ラザラス氏の名前と、『Toys are us.(おもちゃといえば私たち)』というメッセージをかけて、Toys“R”Usと名づけられました」
「文字を習い始めたアメリカの子どもたちが、アルファベットの『R』を逆さまに書いてしまうことが多いことから、『子どもたちに親しみをもっていただけるお店になるように』、また『お客様にちょっとしたインパクトを感じていただけるように』という想いを込めて、鏡文字の『Я』がロゴに取り入れられました」
日本語の表記で「ら」だけ平仮名になっている理由は「鏡文字のニュアンスを表現するために、『ら』だけ平仮名としました」とのこと。
■日本での第1号店は茨城県に
米国トイザらス社と日本マクドナルド社の合弁で「日本トイザらス株式会社」が設立されたのが1989年11月。それから2年後の12月、日本第1号店として茨城県に「トイザらス 荒川沖店」がオープン。翌年1月には早くも2号店として奈良県に「トイザらス 橿原店」がオープンし、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(第41代)が来店したという。
その後も全国に展開し続け、2023年4月現在、北海道から沖縄まで155店舗を展開しているそうだ。
一口に「トイザらス」といっても、店舗の形態が3種類あるという。
「『トイザらス』『ベビーザらス』『トイザらス・ベビーザらス』の店舗とオンラインストアの運営を通して、ベビー用品、おもちゃ、子ども用品まで幅広い商品を手掛けるとともに、お客様に楽しいショッピング体験の提供に努めています」
とくに「ベビーザらス」では、妊婦さんや子育て中の親御さんをはじめ、すべての家族が安心して赤ちゃんを迎え、育てられるようさまざまなサポートが提供されている。
「ベビー用品や育児に関する専門知識をもった『ベビーズ・スペシャリスト』が、それぞれのご家庭のニーズに合った出産準備品を紹介したり、栄養相談会やベビーヨガなど、専門家による出産・育児に役立つ講習会やイベントなども数多く開催したりして、出産と子育てをサポートしています」
■「遊び」のカテゴリーごとに商品をゾーン分け
「トイザらス」がいま力を入れて取り組んでいるのは、より選びやすく、買い物がしやすい陳列方法の探求だという。
「遊びのかたちに応じてゾーン分けした、新しいレイアウトを導入しています」
乗り物おもちゃが揃う「のりもの」、遊びながら楽しく学べる「STEAM&ラーニング」、おままごとや憧れの職業などのごっこ遊びが楽しめる「ごっこあそび&ドレスアップ」といったゾーンに分けて、遊びのかたちが同じ商品を1カ所にまとめて陳列する。こうすることで、子供にはおもちゃ選びの選択肢が増え、大人には商品が選びやすくなるのだという。
「さらに各ゾーンには、おもちゃを試遊できるサンプル商品を配置しており、実際におもちゃを見て、触わることができます」
この新レイアウトは2022年7月に「トイザらス・ベビーザらス 伊丹店」のリニューアルオープンに合わせて初めて導入され、新規オープンや店舗改装のタイミングで順次導入していくそうだ。
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)