もし打ちどころが悪かったら…神奈川県で昭和後期まで続いていた風習に慄け 「容赦なさ過ぎて草」「武闘派っぽい」

神奈川県平塚市にあった恐ろしい風習がSNS上で大きな注目を集めている。

件の風習について「平塚市博の常設展で一番おもしろかったのはこの『年中行事でカンパしない家に投げ込まれる空風輪』です」と紹介したのはライターの井上渉子さん(@kae_fujimori)。

平塚市博物物館(神奈川県平塚市)の常設展で展示されている「ゴロゴロ石」と呼ばれる空風輪(供養塔、墓碑などの用途で建立される五輪塔の頂点部分)。平塚市の古い町々では子供たちがこれを縄で引きずって民家を回り、年中行事のカンパを募ったそうだ。

興味深い風習ではあるが、多少カンパを渋ったくらいでそんなものを家に投げ込まれるなんでたまったものではない。井上さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「容赦なさ過ぎて草」

「こういうことするから、チグハグな五輪塔が増えるのか!?︎」

「強制カンパされる家が増える仕組みの一つかぁ。実力行使で増やしていくの武闘派っぽい。」

「面白いですね。しかし、投げ込まれた家の人は、お賽銭と一緒にこの石塔を返しにくるのでしょうかね?」

など数々の驚きの声が寄せられている。

■投稿者に聞いた

井上さんに話を聞いた。

ーーこの展示をご覧になった経緯を。

井上:昨年の春に平塚市博物館さんがNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関連したプラネタリウム番組を上映していまして、それを観た帰りに常設展も見学していこう… と覗いていて見つけました。

ーーこの空風輪を目にして。

井上:第一印象はやっぱり「えっなにそれこわい」です。さらっと解説してるけどツッコミどころありすぎだろ、と。家に石が投げこまれて、当たりどころが悪かったら命にかかわりますよね?なんでそんなことを? とかもうちょっと穏便に済ませられないのか?とか今も疑問でいっぱいです。五輪塔や宝篋印塔といった石造物は風化でバラバラになった後、漬物石などいろいろなものに再利用される傾向にあるのですが、それにしてもバイオレンスな活用法だなあ、と変なところで感心しました。

ーー今回の反響への感想を。

井上:とてもびっくりしています。昨年の今頃に同じ内容の投稿をしたときはさほど注目されませんでした。NHKの「ネタドリ!」で平塚市博さんが取材を受けたのがきっかけでしょうか。タイミングってあるんですね。

◇ ◇

なおこの風習は昭和時代後期まで続いていたそうだが、子供たちが得たお金をちょろまかすことが問題になり禁止されたそうだ。残念な気もするが、重大事故が起こる前で良かったのかもしれない。

平塚市博物館は今回ご紹介したゴロゴロ石のように地域密着型の歴史や遺物などを紹介する味のある博物館。4月30日には平塚に伝わる昔話などを聞ける「ろばたばなし」(定員20名)というイベントが開催されるそうなので、ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきい。

なお、今回の話題を提供してくれた井上さんは5月29日発売の雑誌「歴史研究」(戎光祥出版)711号・平将門特集号に遠藤明子名義でコラムを寄稿している。こちらもご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

井上渉子さんプロフィール

鎌倉・室町時代を中心に活動中のライター。 雑誌やムックのコラムの他、TVドラマ「戦国★男士」監修・ TVアニメ「お伽草子」ノベライズなど。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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