3日間かすかに聞こえ続けた鳴き声…ようやく排水溝で見つけた子猫2匹 先住猫との関係が難航するも今や家族に「縁あって繋がった」
■商店街の排水溝の中にいた兄妹猫
はくちゃん(8歳・オス)とあずきちゃん(8歳・メス)は、大阪の商店街で鳴いていたところを保護された。2014年8月27日、商店街の近所に住む石田さんは、2匹の猫の鳴き声に気づいた。しかし、どこにいるのか分からないまま3日ほど経った。夜に雨が降り始めたので本腰を入れて探すと、たまたま隠れようとして入ったのかもしれないが、道の脇の排水溝の中にいることが分かった。
「フタを持ち上げると黒猫が2匹寄り添っていました。はくはあずきを守るかのように前に出てきて、こちらを威嚇してきました。雨が強くなってきて水が流れ込んできたところだったので、早く見つけることができて良かったと思いました」
石田さんは、まさか2匹もいると思わなかったので驚いたが一緒に保護した。生後1ヶ月くらい。体重は500gほどだった。
■猫の相性について真剣に考えた
先住猫がいるので、2匹を別室でダンボールに入れた。最初は怖がって威嚇することもあったが、意外と直ぐに馴染んだ。
「2匹一緒なのが心強かったのか、安心して仲良く一緒に寝ていました」
石田さんは、2匹を迎えてから猫たちの相性について考えた。
「猫が増えるとそれぞれの関係がどうなるのかなと。先住猫のもみじとゆずは2匹とすぐに仲良くなってくれました。でも、もみじが受け入れてくれなくて、軽く威嚇していました。ゆずが来た時も同じだったので時間の問題だと思っていましたが、想像以上に難航し、もみじが慣れた頃には、はくとあずきがもみじのことを苦手だと思っているようでした」
2匹はもみじちゃんが近付くと逃げたり嫌がったりした。今度は、それが気に食わないもみじちゃんが怒る堂々巡りになっていた。ケンカをすることはなかったので石田さんは静観していた。すると、一緒の空間にいることで自然とお互いに良い距離感をつかんで、馴染んでくれたようだった。
■縁あって繋がった猫たち
はくちゃんはとにかく甘えん坊。撫でて欲しい時や構って欲しい時は鳴いて人を呼び、来てくれるまで鳴き続ける。布団の中に入りたい時も、自分で入れるのに鳴いて人を呼びつけて布団をめくらせる。5匹の中で唯一のオスで一番大きな身体なのに、一番の甘えん坊というギャップが面白い。
あずきちゃんは、5匹の中で一番小さくて細くてか弱い感じ。しかし、勝気で少し気難しいところがある。人には隙あらば構ってもらいたい、遊んでもらいたい子だという。
「目があうだけで構ってもらえると思ってキャーキャー鳴いてこちらへやってきます。延々と相手をしてあげることになるので、構ってあげられない時は目を合わさないように気をつけています」
猫を飼うということは一生の責任を負うということ。石田さんは、積極的に飼おうとは思わないが、縁あって猫たちと繋がった思っている。
「とにかく元気に健康で、幸せでいて欲しい。そのためにできる限りのことをします」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)