一筋縄ではいかない恋の行方、コメディタッチに描いた人気作 劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」8月から全国公演スタート
8年ぶりの上演となる劇団四季のミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」の全国公演が8月からスタートする。1930年代のニューヨークを舞台に、踊りに夢中な銀行員の跡取り息子と、その息子が差し押さえに行った劇場の一人娘が恋に落ちる-というラブコメディー。お互いが好きにもかかわらず、一筋縄ではいかない恋の行方を、ジョークも交えながらコミカルに描いており、「つらかったり嫌なことがあったりしても、舞台を見ている時だけは忘れて、大笑いしてもらえれば」と出演者。タップダンスを取り入れたダンスナンバーで、会場を引き込む。
ニューヨークのブロードウェイで初演された1年後の1993年、日本でも上演された。演劇・ミュージカルのアカデミー賞とも言われる「トニー賞」で、最優秀作品・衣裳・振付の3部門を受賞した。ガーシュウィンの名曲が使われているのも特徴だ。
今回は、跡取り息子のボビー・チャイルドを萩原隆匡さん、斎藤洋一郎さん。劇場の一人娘のポリー・ベーカーを町真理子さん、相原萌さんが務める。劇団創立70周年記念公演として、8年ぶりに上演。横浜市のKAAT神奈川芸術劇場で7月22日まで上演したのち、8月26日から全国を行脚する。
■ 高まる幸福感
4月24日に行われた取材会には、萩原さんと町さんが出席。萩原さんは「やった後に記憶がなくなるくらい、ハードな演目です」と言いつつも、終盤のタップダンスは「役者冥利に尽きる」と感慨深げ。「ぜひ、劇場でしか味わえない幸福感を共有していただきたい」と語った。一方、町さんは物語のテーマが復興や再生になっていることに触れながら「さびれた町が復興して、活気あふれる姿になっていく物語。コロナ禍を経た今と似たようなところもあるし、見て元気になってもらえればうれしい」と話した。
9月には、東大阪市、枚方市、神戸でも公演を予定している。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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