飼い主が死去 愛護センターに収容されたガリガリの猟犬 今ではスタッフにデレデレ&ふっくらボディ「大きな赤ちゃんです」
犬の「殺処分ゼロ」を目指し、犬の保護及び譲渡活動を行っている団体、ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。さまざまな事情から動物愛護センターに収容されたワンコを引き出しお世話をしていますが、ある日、珍しいワンコを引き出しました。
元猟犬で推定4歳、パルテノスというオスのワンコです。
■元飼い主が死亡し、身寄りがなくなり収容された
飼い主さんが亡くなり、動物愛護センターに収容されたパルテノス。ピースワンコが引き出し、施設に連れていく際、車での移動に恐怖に感じるワンコは多いものですが、パルテノスはもともとの明るくチャーミングな性格から、こういった場面でも取り乱すことはありませんでした。
後にお散歩に連れていくようになっても、近くをトラックなどが通っても怖がることはありません。パルテノスはきっと亡くなった飼い主さんといつも車で移動し、お散歩にもよく連れていってもらっていたようにも感じました。
■大きな赤ちゃんのようなデレデレぶり
何よりパルテノスはその男らしいルックスに反して、極度の甘えん坊でもありました。スタッフに「抱っこして」とすり寄り、なでてあげるとうれしそうにデレデレの表情を浮かべます。もちろん、スタッフの言うこともきちんと聞いて、お座りなどもできます。
とにかく人懐っこいパルテノスですが、保護当初はガリガリに痩せており、大型犬にしては少なめの体重17キロでした。しかし、スタッフの愛情と美味しいご飯を食べられるようになったことで、ムチムチボディとなり、現在は約25キロです。
「大きな赤ちゃん」みたいなかわいいパルテノスですが、このサイズと元猟犬だったことから、ときどき吠えることがあります。ひとたび吠えるとその声が大きいこともあり、なかなか譲渡の条件が合わず、里親希望者さんとのマッチングは今のところまだ達成できていないままです。
■団体での「幸せ太り」によりムチムチボディに
それでもスタッフは楽観的に、パルテノスのかわいいところばかりをうれしそうに語ります。
「パルテノスは、ちゃんとお座りしてくれて、とってもお利口さんなんですよ。ボール遊びも大好きで、投げたら持ってきてくれます。ちょっとダイエットしないといけないくらいムチムチではありますが(笑)、ピースワンコでの『幸せ太り』だったらいいなと思っています」
肝心の里親さんとのマッチングについては「慌てず、ピッタリの里親さんが見つかるまで気長に待っています。こんなにかわいいパルテノスなので、いつか必ず新しい里親さんとの出会いがあるはず」と太鼓判でした。
■「もしも」のときも考えワンコを迎え入れるべき
保護犬には1頭ごと異なる事情があり、もちろん性格や持病といったものも様々です。
今回ご紹介したパルテノスのように、飼い主さんが亡くなったことで、行き場を失い、身寄りのない殺処分対象ワンコとなってしまう場合もあります。飼い主に「もしも」のことがあった際、残された大切なワンコをどうするか……こういったことを、よく考えておくこともワンコを飼う上での必須条件のようにも思いました。
そんなことを思う筆者でしたが、パルテノスは相変わらずスタッフにデレデレで、ときには甘えさせてほしいがために「わざとハウスしない」といったイタズラまでする始末。
パルテノスとスタッフの楽しい絆は今日も継続中です。
(まいどなニュース特約・松田 義人)