メンバー死去のHi-STANDARD、新曲レコードの利益を遺族に全額寄付へ…ドラムの恒岡章さん偲ぶ

人気バンド「Hi-STANDARD(ハイスタンダード)」のドラマーで、今年2月に亡くなった恒岡章さん(当時51歳)。その恒岡さんが生前最後にレコーディングに参加した曲「I’M A RAT」が先日デジタルリリースされたが、新たにトリビュート盤として、7インチシングルレコードが発売されることが決まった。ハイスタの盟友であるファット・マイク氏が持ちかけた提案で、すべての利益は恒岡さんの家族に寄付される予定という。

ハイスタは1991年結成。メロコア(メロディック・ハードコア)ブームを牽引し、99年のアルバム「MAKING THE ROAD」はインディーズ流通では異例となる国内外計約100万枚の売り上げを記録した。人気絶頂のさなかにあった2000年に突如活動を休止し、ソロ活動に移行したが、東日本大震災を機に11年からバンド活動や音源発表を再開していた。ドラムの恒岡さんが亡くなったのは今年2月14日。死因は公表されていないが、51歳という若さだった。

恒岡さんが、ハイスタとして最後のレコーディングに臨んだのは昨年12月。その様子はYouTubeでも公開されており、メンバーの難波章浩さん、横山健さんと仲睦まじく音作りに励む様子が記録されている。2人も公式コメントで「このレコーディングでのツネちゃんはとても楽しそうで、充実した表情を浮かべ、ドラムはもの凄い切れ味でした」と振り返っている。今月に入って2人は「ツネちゃんのHi-STANDARDでの遺作」としてこの曲をデジタルリリースすることを発表した。

■「盟友」NOFXファット・マイク氏の計らいで実現

今回、トリビュート盤(※功績のある人物やグループを称賛するためのアルバム)のリリースをハイスタの2人に直接持ちかけたのは、親交が深いファット・マイク氏。人気バンドNOFXのリードボーカルであり、ハイスタがアメリカで所属するレーベルFat Wreck Chordsのオーナーだ。レコードは同レーベルからリリースされることになり、マイク氏も発表に合わせてコメントを寄せた。恒岡さんについて「才能のある男だった。彼はいつも笑顔で、スタジオにはいつも一番乗りだった。素晴らしいドラマーであり、ツネがいなくなった世界は寂しい」としている。

レコードは7月14日発売予定。ディスクのB面には恒岡さんの写真がプリントされる特別仕様となっている。日本ではタワーレコードとディスクユニオンで購入予約を受け付けている。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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