オバタリアンは死語になっても…厚かましいおばちゃんは生息中 でも「自分に正直」に生きている様子が「羨ましい」
オバタリアンとは、1980年代から連載されていた4コマ漫画のタイトルのこと。この漫画から「恥ずかしげもなく図々しい行動をする中年女性」をオバタリアンと呼んでいる時代がありました。
令和では「オバタリアン」は死語になってしまいましたが、厚かましいおばちゃんは今も生息中です。年度替わりは子どもの進学や仕事の部署異動などで、新たな出会いが増える時期。もしかしたら、あなたもオバタリアンに遭遇するかもしれません。派遣社員のK美さんも職場でオバタリアンと出会い、その行動に驚愕しました。
■同じ部署に配置された40代女性
K美さん(千葉県在住、30代、派遣社員)は営業アシスタントをしています。業績が良く仕事量が増えたため、Kさんの部署に新しく派遣社員のU子さん(神奈川県在住、40代)が配置されることになりました。
U子さんは40代半ばとは思えないほどスタイルが良く、若いころはモテモテだっただろうと思わせるような美人です。社交的で笑顔も多く、年の差を感じさせない親しみやすさがあります。K美さんとU子さんは同じ業務内容なので接点が多く、すぐに仲良くなりました。
■外見と行動にギャップがある同僚
とはいえ、一周り年齢が違うと、ふとした瞬間にジェネレーションギャップを感じるときもあるものです。K美さんが一番驚いたのは、U子さんが全く遠慮しないこと。
たとえば、社内会議用に発注したペットボトル飲料や来客用のお菓子が余ると「ご自由にお持ち帰りください」と職場に設置されるのですが、U子さんはごっそりと全部貰って帰ってしまうのです。K美さんなら「他にも欲しい人がいるだろう」と気配りし、少量だけ持ち帰ります。「ご自由に」と書いてあっても、皆で分け合うのが暗黙の了解だと思うのです。
K美さんは「営業から帰ってきた人の分も残しておいては?」と、やんわりU子さんに伝えてみました。しかし「余ったらどうせ捨てるんだから、貰わなきゃもったいない」と、U子さんは全く気にしていません。
■図々しいのは年のせい?
その他にも、図々しいと感じるU子さんの行動はいくつもあります。K美さんがお昼用に持参しているカップスープの素を「私も飲みたい!」とおねだりしてきたり、本来は2人でやるはずの会議室の掃除を「腰が痛くなるから」とK美さんに押し付けたり。
それでもK美さんが邪険にできないのは、U子さんから悪気が感じられないからです。U子さんは自分の気持ちに正直で、K美さんだけではなく社員や上司にも同じような態度で接しています。
「どうして思ったことを素直に伝えられるんですか?」と、K美さんは質問したことがありました。気分を害するわけでもなく「年を取ると、良い意味で開き直りができるからかもしれないね」と笑って答えたU子さんの姿が印象深く残っています。
■周囲への思いやりは持ち続けたい
図々しいオバタリアン行動があるのに、なぜか周囲から憎まれないU子さん。周囲からの評価が気になり、遠慮したり自分を出せなかったりするK美さんは、自分に正直に行動できるU子さんを羨ましいと思ってしまいます。
同時に「年を取れば私もU子さんのように楽な気持ちで行動できるのだろうか」と、年齢を重ねることに希望を感じました。
それでも、周囲への思いやりは持ち続けたいとK美さんは考えます。手本にしたい部分と、反面教師にしたい部分が混在しているU子さんから、学ぶことはとても多いようです。
■年配者から見習いたいと感じたこと
身近な年上の人から影響をうけたり、見習いたいと感じたエピソードはありますか?みなさんにお話を聞いてみました。
▽30代・派遣社員
歳をとるにつれて声が大きくなってくるのか、独り言も大きい職場の先輩。コピー機の前などで困ったときの独り言が大きくて、結局近くの人が助けている。ある意味うらやましい!
▽20代・会社員
意外と図々しくいうと要求がとおったりすることがあるので、勉強になります。私は何でも主張をしないタイプなのでもう少し言ってもいいのかなと思います。
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また40代以上の方にこの記事を読んでもらったところ、このような感想もありました。
▽40代・主婦
年令だけみると私もオバタリアン年代になってきたから、耳が痛い。
▽40代・パート
「ご自由にお取りください」は取るのは当たり前。
▽50代・会社員
無料と言われると自分が使うより多くのものを持って帰ってるけど、これってオバタリアンなんだ!とこの記事を読んで自覚しました。たしかに若い時は持ってかえらなかった気がする。
(まいどなニュース特約・わたなべ こうめ)