「あの先生良くない」と親に“告げ口”した子を追い込んで…ドラマみたいな恐怖の教室 保護者たちに聞いた「悪い先生」の基準
小学校に進学したばかりのお子さんを持つママのみなさん、周囲から小学校の良い噂、悪い噂が耳に入ってきては一喜一憂していませんか? どうしても良い話より悪い話のほうが話題になりやいものですし、小学校は保育園の頃と比べ、先生と話す機会がぐっと減るので、子どもからの情報とママ友からの情報が頼りの綱だったりするものです。
しかし、ママたちの「あの先生は良った」「悪かった」って、一体どんな「基準」で話されているのか、気になりますよね。先輩保護者のみなさんから寄せられた「先生のエピソード」をもとに、どんな先生が「良い先生」「悪い先生」と評価されているのか探ってみます。
■先生のせいでクラス崩壊!本当にあったひどい担任
まずは、ドラマに出てくるような最悪な先生が担任になってしまったというママの声です。
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▽自分の思い通りにならないと集中攻撃
ママ達それぞれの価値観にもよるので一概には言えませんが、それでも、長女が3年の時の担任は最悪でした。女性だったのですが、まず生徒によって差別的な態度で、特に男子には厳しく、女子もお気に入りと気に入らない子を分けて、自分の思い通りにならないと、1人だけ離れた席に座らせるなど、ターゲットをきめて、集中的に攻撃するかんじです。
そのことを子どもが親に告げ口して、親が先生に言うと、なんと先生がまたその子にいじめみたいな態度をとることもあって。内容は覚えていませんが、うちの子も理不尽なことされたので私がそれを先生に言ったら、その後うちの子は授業中にわけわからないことで立たされていたみたいです。
生徒が反抗できないの知ってて、攻撃して傷つける最低な先生でした。一年で担任終わったからホッとしたけど、そのあと受け持ったクラスでは、その先生のせいで不登校になった生徒もいたし、校長に言っても、先生を変えてくれることはありませんでした。
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…先生が差別的、しかも親に言うとさらにひどくなるなんて、こんな先生が実際にいたら、どう太刀打ちしたらいいのか頭を抱えてしまいそうですね。しかし親として、我が子が差別的な扱いを受けているなんて、黙っているわけにはいきません。
個人で校長先生に言っても簡単に担任を変えるというのは難しそうですが、クラスのママたちがみんなそう思っているなら、連盟で相談するというのもひとつの方法だと思います。
次は一見優しく見える先生、だけど優しすぎる先生は、遊びたい盛りの子どもにとっては都合のいい存在だったりするのです…。
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▽全然叱らない人で、すぐに学級崩壊
下の子が1年生の時の先生はおばあちゃんで、生徒が悪いことしても全然叱らない人でした。だから、すぐに学級崩壊。うちの子も、授業中に机に足投げ出したり、体育の時に校庭を走り回ってたりしてたそうで……それでも、先生は全然注意してくれなかったんです。
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…「学級崩壊なんてそうそう起きないのでは!?」と思っていましたが、現実に1、2年くらいのお子さんがいるママの話を筆者が色々と聞いた限りでは、先生が「叱らない」クラスはほとんど同じような状態になっている印象です。
真面目に授業を受けたくても、周りが遊んで先生も注意しない状態が当たり前になれば、子どもは簡単に“易き”に流れていき、どんどん授業を受けない子が増えていってしまうでしょう。
もちろん、最初に出てきた先生のように意味もないことで怒ったり、恫喝したりするという意味ではなく、「叱るべきときは叱る」というメリハリが重要ですよね。
最後は真面目なんだけど真面目過ぎるが故に(?)、ある意味「勉強以外のことは頭にない」という先生です。
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▽ほんとやる気ない先生だなー…と
長女が6年の時の担任は、ある意味で「本当に勉強のことしか頭にない」先生でした。6年の担任って卒業式もあったり修学旅行もあったりで、やることいっぱいで大変らしいんですが、そんなのこっちは知らんがなって感じですよね。
卒業に向けて、担任や副校長と何度も打ち合わせすることもあったんですが、担任から『自分のやることが増えるから卒業制作はやめませんか?』といった提案があり、『は!?』って思いました。
担任曰く『6年のカリキュラムでもいっぱいなのに、卒業制作も時間割に組み込むなんて難しい。それに卒業制作を残してくれる気持ちは嬉しいけど、それが毎年増えてもう収納する場所もない』と。
そこまで言われたので、『もう先生はやらなくていいから、保護者が生徒に指導する形でなんとかやらせてください』って頼みこんで、卒業制作を作りました。今思い出しても、ほんとやる気ない先生だなーと、思い出すだけでむかつく。
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…先生も人間だから面倒くさいと感じることはあるでしょうが、心の声が駄々洩れすぎです。勉強はもちろん大切ですが、学校での体験から生活面や情緒面を育てていくことも重要な時期なのに…。その部分への情熱がないなら何故教師になんてなった!?と突っ込みたいですよね。
■子どものことをちゃんと見てくれているかはどこで判断できる?
逆に、「こんなに“良い先生”に出会った!」というエピソードもご紹介していきましょう。
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▽勉強以外でも生徒一人ひとりをちゃんと見てくれている
勉強もそうだけど、勉強以外でも生徒一人ひとりをちゃんと見てくれて、理解してくれる先生が良い先生だと思う。個人面談とかで勉強の話ばっかりして、じゃあうちの子はクラスで誰と仲いいんですか?どんなことしてるんですか?ってわからない先生は嫌。
『〇〇ちゃんってこういうところありますよね』って、ちゃんと接しないとわからないようなこととかわかってくれると、ちゃんと見てくれてるんだなって思います。
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…たしかに、表層的な話やファクトを並べるだけでなく、先生だからこそ知っている姿や良い面悪い面を教えてほしいと思ってしまいます。一人一人を見なければいけない先生は本当に大変だと思いますが、だからこそ、ちゃんと見てくれている先生には絶対の信頼を寄せられますね。
また、担任ではありませんが、子どもの興味関心を上手に引き出してくれる音楽の先生のお話もあります。
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▽♪静かにしてくださ~い
小2の息子の参観日がたまたま音楽の授業でした。移動してきたばかりという50代くらいの女性の先生だったのですが、クラスがざわざわしていた時に叱るのではなく、音楽に合わせて『♪静かにしてくださ~い』と歌ったんです。すると音楽室の空気が一気に変わって、子どもたちも『♪は~い』とメロディに乗せて返事をしたんですよね。
その後も一人ずつが自分のアイデアを順番に発表していくような授業の内容で、先進的に感じました。先生自身がよい空気を作ってくれているので、失敗を恐れず生徒たちが音楽を楽しんで参加していたのが印象的でした。私自身、子どもの頃に音楽の授業は楽しいとあまり思ったことがなかったので、こんな先生がいたらよかったのになあと思ってしまいました。
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…小学校も学年が上がっていくと、音楽、体育、図工など、教科ごとに専任の先生がつきます。なかなか授業風景を見る機会はありませんが、だからこそ、担任以外でも頼れる大人が一人でも多く学校にいることは親にとっては安心できますよね。
■先生と生徒の相性次第で「良い先生」「悪い先生」の評価は変わる
最後にこんなご意見を紹介します。
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▽下の子の担任にときは良かったのに…
下の子の担任ですごく評判の良かった先生が、上の子の担任になったときはママたちの評判がよくなかったことがあります。
女性の先生で、5年生の担任だったからか、結構男子生徒をまとめるのが大変で…。声もガラカラになっていました。
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この言葉がまさにすべてを表していると思うのですが、本当に悪い先生ってそうそういないのかもしれませんし、そう信じたいです。
ただ、生徒も毎年変わる中で、手のかかる子の多いときもあるだろうし、そうなると他の子へのケアは手薄になり、ママたちは不満に感じることもあるでしょう。逆もまた然りです。
学校でなにか問題があったとき、一番に頼りたいのは担任の先生ですが、先生だって人間です。手一杯のときもあるだろうし、やはり相性もあると思います。そして、もし最初にご紹介したような先生にあたってしまったら…。先生を変えることは難しいと思うので、我が子を守ることを優先的に考えたほうがいいでしょうね。
学校の先生はなにも担任の先生だけではありません。ご紹介した例にあるように他科目の先生でもいいし、以前の担任でもいい。とにかくひとりでも信頼できる大人が学校にいることが大切なように思います。
もちろん信頼関係を築くのは一長一夕では難しいので、日頃から積極的に先生とコミュニケーションをとることが重要です。たとえば公開授業の日などに終わってから話かけたり、連絡帳を活用したり。
学年が上がっていくにつれ、ついつい関わりも薄くなってしまいがちですが、日頃から気軽に話せる関係を作っておけば、いざというときも心強いですね!
(まいどなニュース/BRAVA編集部)