京都ミステリー?近鉄奈良駅から乗車したのに「近鉄京都にお越しの場合はお乗り換えください」の車内アナウンス
近鉄奈良駅から京都方面に向かう列車に乗ると「近鉄京都にお越しの方は竹田でお乗り換えです」「竹田からは地下鉄の乗車券が必要です」というアナウンスが入ることがあります。
近鉄奈良駅から乗車したのになぜ、近鉄京都に行くために乗り換えなければいけないのか、なぜ地下鉄の乗車券が必要なのか、と思う人もいるかもしれません。
■理由は列車の行き先にあった
その理由は列車の行き先にあります。
近鉄と京都市営地下鉄は相互乗り入れを行っていて、1時間に1本直通列車が運行しています。直通列車の行き先は「国際会館」。近鉄奈良出発した直通列車は京都駅手前の竹田駅から京都市営地下鉄に乗り入れ、京都から北大路、国際会館へと向かうのです。
京都市営地下鉄烏丸線沿線には、御所などの観光地があります。また、烏丸御池駅で地下鉄東西線に乗り換えれば、山科、東山、二条城などの観光地へも容易にアクセスできます。奈良と京都の観光地をめぐりたい場合は、京都市営地下鉄への直通運転は非常に便利といえるでしょう。
■便利な直通運転、でも…
しかし、直通運転は便利なだけではありません。ひとつ気を付けなければいけないことがあります。それが、「京都」駅の違いです。
国際会館行きの列車が到着する「京都」駅は、近鉄の京都駅ではなく地下鉄の京都駅。名前こそ同じ「京都」駅とはいえ、2つは違う鉄道会社の駅です。
違う鉄道会社の駅に到着することで生まれるもっとも大きな違いは運賃でしょう。近鉄奈良駅から近鉄の京都駅への運賃は大人760円。一方、地下鉄京都駅への運賃は1020円。近鉄奈良駅から竹田駅までの近鉄の運賃760円プラス、竹田駅から地下鉄京都駅までの運賃260円が必要です。
つまり、近鉄奈良駅から近鉄京都駅までの乗車券を購入し、国際会館行の列車に乗車して地下鉄京都駅で降りた場合は、購入している場合は、改札を出る前に料金精算をしなければいけません。近鉄のフリーきっぷを購入した場合でも、一部のきっぷを除き京都市営地下鉄はエリア外なので、精算が必要です。
このような事情から、直通列車に乗ったときは冒頭で紹介したようなアナウンスが流れるというわけです。
近鉄奈良から京都に移動する場合は、行き先とアナウンスに気を付けておかないと、うっかり地下鉄の京都駅に到着してしまい、地下鉄分の運賃も必要という状況になりかねません。乗るときには行き先表示とアナウンスに気を付けて、京都到着後に地下鉄を利用する予定がない場合は、竹田駅で近鉄京都行きの列車に乗り換たほうがいいでしょう。
(まいどなニュース特約・鶴原 早恵子)