工場の鉄板の隙間に挟まっていた子猫を救出 泥だらけで目もぐちゃぐちゃ→元気にミルクを飲むように

東日本大震災の時に、原発からわずか20km圏内で保護活動を始めたというおおあみなおこさん(@gogowannyan)。現在は横浜に「おーあみ避難所」の拠点を構え、沖縄県や栃木県でも保護活動をしています。おおあみさんたちは、とある工場から1匹の子猫の鳴き声が聞こえてくるのを耳にしました。

「一昨日の夜から乳飲み子の鳴き声が工場から聞こえて来た。翌朝まだ鳴いてて、工場の方が作業場の捜索を手伝ってくださり、鉄板をどかしたら僅かな隙間に挟まって動けなくなってるところをボラさんが保護!口の中まで泥だらけ、目もぐちゃぐちゃと。ひとまず保護できて良かった!」

おおあみさんのツイッターの投稿です。それには、子猫の画像も添えられていました。

写っていたのは、バンザイをしているような子猫。ただ、リプ欄には、

「タヌキさんかな。にゃんこではないですよね。お母さんどこ行っちゃったんだろう。タヌキさんの場合、治療して山に戻すんですかね?とりあえず命が助かって良かった」

「タヌキかなー?猫とは手や脚が違うから」

「助かってよかったね。それにしても、このこは赤…にゃん?」

というリプライがたくさん寄せられました。

おおあみさんは、

「あら、気がついたらTwitterが『たぬき』なんじゃないか!? てことになってる…私が育てているのたぬきなの?」と反応。でも、間違いなくこの子は子猫です。

■鉄板のわずかな隙間に挟まり、身動きがとれなかった子猫を救出

おおあみさんにお話を聞きました。

ーーどなたが鳴き声に気づかれたのですか。

「5月7日の夜に私や近隣の人が鳴き声を聞いて、社長に工場の鍵を開けてもらって中を探しました。しかし、子猫の鳴き声がぴたりと止まってしまって、夜も遅かったことから捜索は中断して翌日に探そうと思ったんです」

ーー再び鳴き声が聞こえたのですか。

「翌朝、ボランティアさんも声を聞きつけ、今度は工場の社長さんから『中で死んじゃったりしたら困るから探してくれ』と頼まれ、一緒に探すことになりました」

ーー母猫や兄弟とはぐれたのでしょうか。

「実は母猫は近くにおりました。おそらく子育て中にこの子だけなんらかのアクシデントがあって、鉄板をストックしてある棚みたいなところの真下に落っこちてしまったのだと思います。泥を食べてしまっていたので、とにかくすぐ病院に連れて行きました。お母さん猫も保護したいのですが、もしかすると他の兄弟を育てている最中かもしれないので、1、2カ月経ってから捕獲しようと計画しています」

ーー工場の方も快く協力してくれましたか。

「まあ、工員の方は笑顔でとまでは言いませんが、社長の指示で鉄板をバンバンどかしてくれました。なにしろ鉄板なので、子猫が挟まってしまうのではないかとハラハラしたそうです」

ーー口の中にまで泥が入っていたのですか。

「顔中泥だらけでした。乳飲み子はオッパイを探す動作をするので、泥も口にしてしまったようです。可能な限り取り除き、病院にも行って診てもらいました。数日後、ジャリジャリしたものが混ざった真っ黒いうんちが何回か出ました。体重160gほどの乳飲み子だったのですが、この大きさにしてはしっかりと動き回るので、もしかすると小さめの子なのかもしれません」

ーー今はどんな風に過ごしていますか。

「保護当初は風邪を引いてたようで、くしゃみと目やにで薬を使っていましたが、今は元気にたくさんミルクを飲んでいます。また、おじいちゃんわんこのサークルで時々運動したりして足腰を鍛えています(笑)」

◇ ◇

すくすく育っているという猫の赤ちゃん。助けられてよかったですね。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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