「助けて」と鳴いていたのかな 猫風邪で衰弱し体重は500グラム 治療を頑張り家族になった
■「助けて!」と鳴き続ける子猫
おちびちゃん(4歳・メス)は、2018年10月24日の夕方、千葉県在住のKさんの家の前で鳴いていた。Kさんが外に出てみると、茶トラの子猫が必死に鳴いていた。
「私に『助けて!』と言っているようでした」
子猫の体重はわずか500gで、猫風邪の影響で顔が歪んでいた。Kさんはすぐに動物病院へ子猫を連れて行き、ワクチン接種や必要な治療を受けさせた。しかし、翌日から子猫は嘔吐や下痢を始め、食欲がなくなってしまった。子猫は急に具合が悪くなるというので、Kさんは心配した。
「猫風邪をひいていて、左目からずっと涙を流していました。治療を続ける中で、私はこの子猫が自宅の前に捨てられたと知りました。駐車場に置いていた耳カットの無い猫を捕獲するための罠を見た人が、それを避けるために子猫を置いていったのだと思います」
■小さくて可愛い子猫
母猫に「人間は怖いものだ」という教えを受ける前に保護したのに、おちびちゃんは抱っこされるのを嫌がった。しかし、Kさんの愛情とケアによって徐々に打ち解け、心を開いてくれた。「初めて自宅に迎えた日はとっても小さくてかわいかった」とKさんは振り返る。
現在、おちびちゃんは健康で幸せに暮らしている。抱っこはまだ苦手だが、飼い主と一緒にくつろいだり、甘えたりするのが好きだ。おちびちゃんは、捨てられた動物に愛と思いやりを与えることができる存在であることを示している。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)