沖縄の保護犬、東京へ ツンデレでマイペースな性格です 「なんくるないさー」な飼い主さんを待ってます
2019年、沖縄県の動物愛護管理センターに収容された和犬+洋犬のミックス犬のサナ。クリクリとした大きな黒目とタレ耳、茶色と白色の長毛が特徴の笑顔がかわいい中型犬です。地元・沖縄の保護団体・ワン’sパートナーの会に引き出された後、同団体と提携している東京の保護団体・NPO法人わんずぺ~す(以下、わんずぺ~す)にに保護を引き継がれることになりました。
■人に媚びない甘え下手な性格
沖縄から東京へと遠くはるばるやってきたサナは、わんずぺ~すに来た当初は、環境の変化に敏感なうえ、もともと臆病な性格から緊張がとれず、人に近寄らないのだと思われていました。ところが、そもそも常に人に甘える子ではないことがわかってきました。
時間をかけて向き合う必要があり、心を開いても、ベタベタなコミュニケーションを好まず、そっと甘えてくるときと、そっけなく逃げていくときがあり、しばらくはスタッフも行動が読めずに戸惑うことがありました。言わば、「猫っぽい性格のワンコ」で、自由でマイペース、自分が好む距離感で人と接することにこだわる一面を持っているようです。
これまで何百頭もの犬を保護してきたわんずぺ~すのスタッフにとっても、サナは初めて接するタイプ。距離を取りたがるサナに対して、様々な練習に時間をかける必要を感じました。そこで、一緒に生活しながらじっくり向き合ってもらえる預かり先に託すことになりました。「大丈夫。きっとなんとかなる」「うちの手伝いをしている預かりボランティアさんは優しい人たちばかりだから大丈夫だ」。そんな思いを胸にサナを迎えました。
■数年間のトレーニングで人馴れはだいぶ改善
サナは、わんずぺ~すが運営する東京・東大和にあるシェアハウス「わんずハイム」で暮らす預かりボランティアさんに預けられることになりました。預かりボランティアさんによれば、当初このサナの自由奔放ぶりに翻弄されたそうですが、その犬らしくないところがまた魅力だったそうです。
新しい里親さんへの譲渡が前提ですので、最低限の人馴れなどは必要で、預かりボランティアさんは日々の生活で、サナにトレーニングをしていきました。その期間は数年に及びましたが、その念入りなケアのおかげで、以前のサナよりは人間に馴れるようになり、そして室内トイレでも失敗などをほとんど起こさなくなりました。
■今年ついにサナの里親さん募集がスタート
もともと気性が荒い性格ではなく、前述のようなマイペースぶりから、里親さん募集のタイミングを見計らっていましたが、2023年1月ついにサナの里親を募集することにしました。
サナを迎え入れてくれる上での「理想的な里親さん」をスタッフに尋ねると、以下のような返答をもらいました。
・他のワンコが大好きなサナですが、積極的に遊びに誘ってくるワンコよりも、のんびり穏やかなワンコのほうが相性が良く、こういった先住犬がいる家庭にはピッタリ。
・里親希望者さんは、サナのペースを一番に尊重し、濃厚な愛情表現を求めず、焦らずにたっぷり時間をかけていただける人が良い。
・環境が変化することに対してストレスを感じやすいサナなので、旅行やアウトドアに連れていきたい人には向いていない。
・イレギュラーな出来事や大きな物音が苦手のため、小さな子どもがいる家庭や、周囲が騒がしい環境でないほうが良い。
沖縄で寂しい思いをして、遠くはるばる東京にやってきたサナ。スタッフもサナも、最期までサナを穏やかにお世話してくれる里親希望者さんとの出会いを待ち焦がれています。ぜひサナ特有のツンデレぶりにも「なんくるないさ!」「我こそは!」と思う方は、わんずぺ~すに問い合わせしてみてください。
(まいどなニュース特約・松田 義人)