一緒に遊ぶ予定が…1度目は待ち合わせですれ違い、2度目はすっぽかされた我が子 小学校低学年「子ども同士の約束」は難しい
小学校に入学した1年生も、そろそろ生活に慣れてくる時期ですよね。仲良くなったお友達と遊ぶ約束をすることもあるでしょう。しかし、子ども同士の約束には注意が必要かもしれません。時間や場所があいまいだったり、約束した内容が正確に伝わっていなかったりはよくあることです。
約束しても会えなくて、子どもがガッカリする場合もあります。悲しむ我が子を見るのは辛いですよね。4月から小学校に入学した息子がいるM子さんも、子ども同士の約束がうまくいかずにモヤモヤを抱えていました。
■「友達と遊ぶ約束をした!」と喜ぶ息子だったが…
M子さん(福岡県在住、30代、専業主婦)には、小学校に入学したばかりの息子(6歳)がいます。息子はクラスにも慣れて毎日楽しく小学校に通っているので、M子さんはホッとしていました。ある日、息子はクラスメイトと遊ぶ約束をして帰宅。
「学校の正門で待ち合わせするから行ってくる!」と、ランドセルを玄関先に置くと、すぐに家を出て行こうとします。M子さんは慌てて息子にキッズケータイを持たせました。
すぐに友達を連れて家に帰ってくると思っていたM子さん。しかし、待てど暮らせど息子は帰ってきません。「もしかして事故にあったのでは…」とM子さんは心配になり、キッズケータイに電話をかけました。息子はすぐ電話に出たので一安心。「どこにいるの?」と聞くと、家から15分ほどの公園にいると言うのです。
■友達は待ち合わせ場所に来なかった…
結局、息子はそのまま公園で友達と遊んでから帰ってきました。帰宅した息子に事情を聞くと、最初は学校に向かったとのこと。しかし、全然友達が来ないので、友達の家に迎えに行ったと言うのです。
途中の公園で別の友達がいて、話しかけると約束した友達が別の公園で遊んでいるのを見たと言われます。息子はその友達と別の公園へ行き、ようやく約束した友達と会えました。そして、そのまま皆と一緒に遊んでいたのです。
「友達はあなたとの約束を破ったの?」と聞くと、息子は「学校に来たけど僕がいなかったから帰ったんだって」と答えます。どうやら、正門と裏門ですれ違ってしまったようです。息子も友達も会えなかったことは気にしていない様子。M子さんは理解できず「男の子ってこういうものなのかしら…」と呆れてしまいました。
■次の約束でも…再び会えず
その後、息子は同じ友達と再び約束をしたのですが、また会えずに終わってしまいます。今回は途中で合流もできませんでした。次の日に学校で息子が友達に話を聞くと「お父さんに散髪に連れていかれた」とのこと。息子の連絡先を知らず、伝えられなかったようです。
「連絡先知らないなら仕方ないよね…」と思いつつ、2回も約束を破った友達にモヤモヤしてしまうM子さん。友人に話をすると、同じような経験をしている人が何人もいて少しだけホッとしました。低学年、とくに1年生はまだ時計を読めない子どももいるので、待ち合わせ失敗はよくあることだったのです。
■子ども同士の約束で親が注意するべきこととは?
友人は子どもが約束してきたときのアドバイスをしてくれました。
・約束した場所を必ず聞く。約束した場所以外にいくときは必ず連絡するように伝える(携帯がない場合は1度家に帰る)
・初めての友達と約束したときは、自分の連絡先を子どもに持たせて、友達から親に渡してもらう
・友達との約束が慣れるまでは自分が付きそうのもあり
「なるほど!」と感動するM子さん。これから全部取り入れようと思ったそうです。とはいえ、子ども同士の遊びの約束は、家庭によってルールが違います。家庭によっては低学年でもかなり自由にしている場合もあるでしょう。子ども同士の約束で気がかりなことが起きたら、親はどうするべきなのでしょうか。低学年の子どもを持つ保護者がどのようにしているか聞いてみました。
▼小学2年生・女子の母親
友達との約束の場合、場所を必ず確認します。お友達の自宅の場合は必ず保護者の方に連絡をします。連絡先がわからなければ、緊急連絡網などに記載されている電話番号にSMSを送って確認します。帰宅後は必ずお礼の挨拶をします。公園の場合は、行きと帰りは必ずついていきます。低学年の頃は「友達と遊ぶ」と言われるとうれしいようで逆に負担も感じましたが、子どもには見守りが必要かと思いました。
▼小学4年生・男子の母親
低学年のころは、友人の母同士で連絡を取り合って、公園で遊ぶときは大人が順番で見守るようにしていました。怪我をしたときなどすぐ対応できますし、喧嘩が起きても仲裁することもできました。
▼小学3年生・男子の母親
携帯を渡しているから安心!はないと思います。男子は夢中になると着信音も聞こえないし、帰宅時間の約束もできないと思いました。
■サポートしつつ見守ってあげて
こうした事例について、小中学校向け・いじめの相談ツール「マモレポ」を運営している株式会社マモルの代表、くまゆうこさんに話をきいてみました。
「小学生の保護者からの相談で何度か同じような事例がありました。1回なら勘違いだったのかな?で済むのですが、2~3回以上続くと親のほうも『これはいじめなのか』『わざとされているのではないか』と思うようです。ほとんどの場合は、約束をしたことを本人が忘れていたり、約束をしていても帰宅すると親が違う予定を入れていて行けなくなるなどが原因です。色々な可能性を想像するととても心配になるのは当然ですが、子どもがどんな状況で約束したのか確認し、少しでも気になる事があれば親同士の確認も必要です」
子ども同士がすれ違いで傷つかないように、大人たちはフォローをしつつ見守ってあげたいですね。
(まいどなニュース特約・わたなべ こうめ)