誰もいないゴミ屋敷で暮らしていた猫を保護 10年間ずっとごはんをあげていたおじいさんと感動の再会「見捨てたんじゃないよ、幸せになってね」
「ゴミ屋敷で暮らしていたのりこちゃん。ずっとのりこちゃんにご飯を届けていたおじいさんに来てもらい再会。おじいさんが『のりこちゃんを見捨てたんじゃないからね。幸せになってね』と声をかけていました。それ以上何も言わず、ずっと撫でていました。10年間の愛がそこに詰まっていました」と、ツイッターに画像を投稿したのは雨と雪さん(@63NiY6yY7YDHiYk)。そこには、おじいさんとお話しするのりこちゃんが写っていました。
雨と雪さんに、のりこちゃんのことを聞きました。
ーーのりこちゃんは何歳くらいですか。
「はっきりとは分からないのですが、前にごはんをあげていたご夫婦からおじいさんが引き継いで10年以上経っているので、10歳以上だと思います」
ーーどんなところに住んでいたのでしょうか。
「無人のゴミ屋敷です。庭にはゴミが山のように積み上がっており、その隙間からゴミの山の中に入り込んで、寒さや雨をしのいでいました。子どもの頃からごみ屋敷で暮らしていたようです。えさやりをしている広場まで、毎日のりこちゃんは5分ほどかけて通ってくれていました。いつものりこちゃんとは、その広場で待ち合わせをしていました」
ーー雨と雪さんは、おじいさんとのりこちゃんにいつ出会われたのですか。
「3年前におじいさんと出会い、『いつ来られなくなるか分からないから、えさやりを引き継いでくれる人がいないかなぁ』と相談を受けました。簡単に引き継いでくれる人はいません。えさやりは過酷です。それに21匹も猫がいました。雨の日も、雪の日も、体調が悪い日も、行ってあげなければ猫たちは飢えてしまいます。なので、私が引き継ぐしかないなぁと思い、そこからおじいさんと一緒にごはんを届けに行くことになり、のりこちゃんと出会いました。のりこちゃんはゴミ屋敷から5分ほどの広場まで、毎日ごはんを食べにきてくれました」
ーーのりこちゃんの居場所はご存知なかった。
「ゴミ屋敷の場所を私は知りませんでした。今年の2月10日、大寒波の雪の日、猫たちが来ないので心配で、1時間ほど色々な場所を探しました。温かいささみのスープだけでも飲んでもらいたくて。歩いていると猫の鳴き声がしました。声を頼りに探してみたら、ゴミの山の小さい隙間から顔を出しているのりこちゃんがいました。それを見た時に、こんな場所で暮らすのは危険すぎると思い、保護しようと決めました。不衛生ですし、ゴミの山が崩れたら出て来られなくなってしまうと思いました」
ーーのりこちゃんとおじいさん、久しぶりの再会だったのですか。
「今年の4月20日に保護して、1カ月ぶりに会いにきてくれました。おじいさんは、たくさんいる猫の中でも、のりこちゃんのことを一番可愛がっていました。昔保護して飼っていた猫にそっくりで、のりこちゃんはその猫の生まれ変わりだと言っていました」
「のりこちゃんは毎日おじいさんの足元にピッタリくっついて甘えていました。おじいさんとのりこちゃんの姿を見ていると、10年間の絆を感じました」
ーー他の猫はどうなったのですか。
「当初は最大21匹いましたが、保護した4匹が亡くなり、交通事故で2匹亡くなりました。突然姿を消した子が3匹。現在は12匹まで減りました。皆シニアの猫たちばかりで、全て保護してあげたい気持ちでいっぱいです。私もおじいさんも、お外で必死に頑張って生きてきた地域猫の最後くらい、暑くもなく、寒くもない環境で、お腹が空くこともなく、安全に穏やかに過ごさせてあげたい。そう願い活動しております。関心を持って協力してくださる方が増えることを願っています」
リプ欄には、
「おじいさんがのりこちゃんにかけた言葉に愛と絆を感じました。あと、おじいさんと雨の日も雪の日にも一緒に通った雨と雪さんとおじいさんとの絆にも」
「のりこちゃん、愛されていますね。10年も見守って下さったおじいちゃん。年齢を考えての決断。のりこちゃんのこと、いっぱい考えてくれたんだね」
「大切にされていたのですね。おじいさんの思いもあるし、のりこちゃんは必ず幸せにならないとね」
という温かいリプライがたくさん寄せられました。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)