家の庭で亡くなった首輪付きの猫 最後に会わせてあげたいと飼い主探しに奔走するも…「伝えて遺品をお渡しできれば」

「家の庭でどこかの飼い猫さんが亡くなってました」

そうツイッターで切り出したのは、愛知県に住むMARVELママ(@MARVEL_Husky)さん。猫の飼い主に伝えたいという一心で投稿しました。

庭で息を引き取った猫は三毛猫で、性別はおそらくメス、耳にはさくらカット。首には黄色いちりめん素材の首輪がついており、誰かに飼われていたのかもしれません。

MARVELママさんは遺体をそのままにしておけず、役所に電話で事情を説明し、火葬や埋葬について尋ねたところ、「燃えるゴミで出してください」と返答がありました。該当自治体ではそう案内するのが決まりと分かっていながらも、自身も猫と犬を飼うMARVELママさんはそう処理することができず、飼い主に代わってその猫を見送ることを決めたのでした。

■投稿者に詳しい話を聞いた

MARVELママさんが自宅の庭で猫を見かけたのは28日の朝。エアコンの室外機の下で寝ている三毛猫を見つけました。その日は天気が良かったので涼みながら昼寝をしているのだろうと思い、水を置いておいたといいます。

それから1時間後も猫は寝ていましたが、お昼過ぎに再度確認したところ、猫は室外機の下から出て、既に息を引き取っていたそう。役所に問い合わせたところ先述のやり取りとなり、「飼い主さんが見つかれば」という思いからSNSでの発信に至りました。

投稿は大きく拡散され、届いたアドバイスを参考に、遺体の腐敗を防ぐために段ボールにペットシーツ、バスタオル、保冷剤、パウチ、オヤツを入れておくことに。その間、MARVELママさんは「最後に飼い主さんに会わせてあげたい」という一心で、4時間ほど近所を訪ね歩きましたが、飼い主に関する手掛かりは得られません。保健所でマイクロチップの有無も調べましたが、残念ながら埋め込まれていませんでした。

このまま腐敗してしまうのを避けるため、悩んだ末に「お友達と一緒にお空に上れるので合同火葬を選びました」。三毛猫の火葬は無事執り行われ、MARVELママさんの手元には三毛猫の首輪、ヒゲ、毛が遺っています。

今回の出来事を通して、「地域猫ちゃん、外飼い猫ちゃんのリスクは非常に高いです。命がかかってます。そして家猫ちゃんの脱走防止の注意喚起になればと思います」とMARVELママさん。

さらに、自身も猫を飼っていることから、「マイクロチップだけではなく迷子札も必要です。マイクロチップは土日になると病院等がお休みのため確認できなくなったりします。特に田舎は。三毛猫さんはきっとそれを教えに我が家に来てくれたと思ってます」とも語ります。

三毛猫の飼い主探しは今後も続けるそうで、警察にも既に連絡済み。貼り紙の作成や知人への拡散など対応しているといいます。

最後に、MARVELママさんは三毛猫の飼い主へこうメッセージを送ります。「三毛猫さんが眠ってる場所をお伝えしたいのと首輪、毛、ヒゲをお返ししたいです。ご連絡ください」。

◇  ◇

野生動物の亡骸に関する、処理の仕方は自治体により異なるよう。参考として弊社が本社を置く神戸市の市役所・環境局に野生動物の亡骸はどのように対処しているか問い合わせたところ、「自治体によってはそのまま一般廃棄物として処理するところもあるそうですが、神戸市ではお住まいの区の環境局事業所にご連絡いただければ、無料で引き取りに伺います」と担当者。その後は動物管理センターに運ばれ、動物専用炉での合同火葬となるといいます。

また、「今回のように他の方の飼い猫であると思われる場合、飼い主さんが見つかればよいのですが難しいようでしたら、お問い合わせの際にご説明いただければ、同様に対応させていただきます。ただ、私有地には入れませんので、収集車が通れるところまで出していただければ」とのことでした。神戸市では、ペットや野生動物の亡骸について問い合わせを受け、動物環境局に運んだケースは、年間約8000件ほどだといいます。

なお、神戸市では自身のペットが亡くなった際にも動物専用炉での合同火葬を受付しており、環境局事業所へ持ち込む場合は一頭2000円、市で引き取りを希望する場合は一頭4000円で対応しているといいます。いずれも住まいのある区の環境局事業所へ連絡は忘れずに。

(まいどなニュース・門倉 早希)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス