クロネコ運転手が猫を保護「道の真ん中で行き倒れている」 段ボールをかぶせて守った命 保護団体「迷わず命を優先してくれた」
「道の真ん中に行き倒れている猫がいる。
『ねこかつ』が駆けつけるまでの間、猫が車に引かれないように『クロネコヤマト』のドライバーさんが猫を護ってくれていました。
『クロネコヤマト』のドライバーさん、ありがとう!」
道の真ん中で行き倒れていた猫を見つけ、保護団体に連絡した「クロネコヤマト」のドライバーさんが話題になりました。
投稿したのは、埼玉県内で保護猫カフェを運営する保護団体「ねこかつ」(代表・梅田達也)さん(@nekokatsu_1)。5月下旬、「ねこかつ」さんのところに「クロネコヤマト」のドライバーさんから「行き倒れた猫がいる」と連絡があったとのこと。代表の梅田さんたちが現場に駆け付け、猫を保護したといいます。ドライバーさんから「ねこかつ」さんへの”連携プレー”の投稿に感謝の声がたくさん寄せられています。
「時間に追われた勤務であるのに、見てみぬふりせず迷わず命を優先してくださりありがとうございます」
「社名に恥じない尊いドライバーさんであり、時間との闘いのお仕事なのに頭が下がるとしか言いようがない」
「猫ちゃん良かった~うちのわんこが脱走したときもクロネコヤマトのお兄さんが一生懸命追いかけて捕まえてくれました」
「クロネコヤマトの人にボーナスあげたい」
「ねこかつさんと、ヤマトのドライバーさんに、敬意を表します」
「クロネコヤマト」のドライバーさんから連絡を受けて猫を保護したときのことを、「ねこかつ」代表の梅田さんに聞きました。
■段ボール箱を組み立て、車にひかれないよう猫に被せた
--「道の真ん中に行き倒れている猫がいる」と連絡がきたとのこと。
「はい、ヤマトのドライバーさんからねこかつの大宮日進店に電話が来ました」
--ねこかつさんたちが駆け付けられたところ、猫ちゃんは無事だったのですね。
「別件で、私とスタッフが外に出ていました。そこに電話連絡が入ったので、私たちで現地に向かいました。20分くらいかかったと思います。段ボール箱を組み立てて、猫に被せて守ってくれていました」
--現場でのドライバーさんとのやり取りは?
「私が『まだ生きていますか?』と尋ねると、『はい』と。『ダンボールで守っていてくれたんですね、ありがとうございます』と言いながら、暴れてかまれたりしないように猫にタオルを被せて猫を持ち上げて、持っていったキャリーに猫を入れました。猫はぐったりしていて暴れる元気もなく、キャリーにすんなり入ってくれて。『このまま病院に行きますね』というと、『お支払いはどうすれば?』と尋ねられたので、『大丈夫です。ねこかつでもちます』と笑って答えました」
■ドライバーさん、猫の医療費の申し出も…保護団体「ねこかつでもちます」
--病院に行かれて、猫ちゃんの状態はいかがでしたか。
「歯の状態などから老齢の猫(7~10歳くらい)だと思われます。ガリガリにやせていて、極度の脱水症状もみられました。大きな外傷はありませんでした。また血液検査などから、極度の栄養失調・脱水による衰弱だと思われます。自力で食べはするものの、起き上がるのもつらいようで、今は1日中死んだように眠っています。おしっこも現在は垂れ流しの状態ですが、少しずつ体に力が出てきているようには感じています」
--猫ちゃんが道路の真ん中で放置されていたら、車にひかれて命を落としていたかもしれませんね。「クロネコヤマト」のドライバーさんの対応に感謝ですね。
「電話連絡まではできる人はいますが、それ以上に何もしない人が多いです。私たちが行くまで現地に残ってくれる人は限られます。そのうえ、猫が車にひかれないように機転を利かせ段ボール箱を被せて守ってくれていたことにうれしくなりました。
また、受け取りはしなかったですが、医療費の申し出をしてくれたことにも驚きました。日々この活動をしていると、相談の丸投げばかりで、見ず知らずの猫にお金を出すという人はあまりいませんので。本当に感謝しています」
「ねこかつ」さんが運営する保護猫カフェ。埼玉県川越市の川越店とさいたま市北区の大宮日進店があります。詳しくは、保護猫カフェ「ねこかつ」のホームページにアクセスを。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)