カラフルな美しい旗は…飾りじゃない? ネパールでおなじみの光景、想定外な理由に「そういう意味があったとは!」
ネパールの「全自動徳高まり旗」がTwitter上で大きな注目を集めている。件の旗について
「そういえばネパールの写真漁ってたら出てきたので話すんだけどネパールやチベットにありがちなこの5色旗。実はよく見るとお経(マントラ)やブッダが書かれてるんだけどなんとこいつらは『風になびくだけでお経を読んだことになり徳が高まる』らしい。全自動徳高まり旗。マニ車よりすごい気がするぜ」と紹介したのはライター・イラストレーター・VTuber・漫画家など多岐にわたるジャンルで活躍するマシーナリーとも子さん(@barzam154__)。
投稿にはネパールで山から下山中に撮影したという写真が。山中の集落のようなところを背景に、青、赤、白、緑、黄の5色で何やら細かな文様が描かれた旗が万国旗のような状態で張り巡らされている。
たしかにネパールを扱った映像などで見たことがある気がする旗だが、まさか風になびくだけで徳が高まるありがたいものだったとは露知らず。マシーナリーともこさんの投稿に対し、Twitterユーザー達からは
「あれってそういう意味があったんですか! ドキュメンタリーに出てくるネパールに必ず見かける景色だと思っていたんですが……。」「“タルチョー”(タルチョク、マニ旗、経幡、風馬幡) を撫でた風が、山に谷に、あまねくお経を届けるんですねぇ」
「さらに紫外線を浴びて繊維が脆くなって風雨にさらされることで旗が朽ち、お経が散り散りに飛んでいくことで祈りが遠くへ届くというギミック付きなのだ」
など数々のコメントが寄せられている。
■投稿者さんに聞いた
マシーナリーとも子さんに話を聞いた。
ーー現地では、こういった5色旗は主にどのような場所に掲揚されているのでしょうか?
マシーナリー:割とどこにでもあります。この旗はチベット仏教の仏具的なもので現地語でタルチョと言います。ネパールだけでなくチベットやインドなどにもあるようです。
基本的にはお寺にあるものと言いたいところですが、割と街中にあります。ツイートの写真はエベレスト街道の道すがらに撮影したもの。マニ車やお経は描いてありますが、ここが特別なにかの仏教施設というわけではありません。また、チベットやネパールといえばこれのようなところもあり、フィクション作品でもこの地域が舞台の時はよく描写に出てきます。最近の作品でいうと『ストリートファイター6』でもネパールがモデルの街中にかかっています。ただ、ネパールやインドはヒンドゥー教も盛んなので、流石にそれらを信仰してる場所や地域には無いです。
ーーもちろん現地の方達はこの5色旗の意味をご存じなのでしょうか?
マシーナリー:私も現地のガイドから聞きましたし、みんな知っていると思います。私は、最初はただの色付き旗としか思ってなかったので間近で見てお経やブッダが描かれていることに驚きました。ネパールでのマニ車や観光名所の寺も含めて「信仰心が篤い」というよりも「信仰がすごく身近である」と感じたのが日本の感覚と違っておもしろく思えましたね。日本でもお地蔵さんやお墓を大事にするくらいの感覚はふつうにありますが、それがもっと密度高くある感じですね。
ーー投稿が反響を呼びました。
マシーナリー:最近みんなマニ車の効果については割と知っている中、この旗については知らなかったようで、おもしろがっていただけたのは単純に嬉し楽しかったですね。あと単に面白がるのではなく、「これくらい身近で気軽なのっていいよね」的な反応が多かったのもうれしかったです。
□ □
マシーナリーとも子さんは現在、Twitter上でネパール旅行の体験を綴った漫画を公開中。今回、紹介したタルチ旗にも関連する旅日記をPIXIV FANBOXで執筆している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)