【梅雨時期のカビ】一番気になる場所は「お風呂」…カビの専門家がおすすめする対策は?
株式会社リンレイ(東京都中央区)は、全国の20~60代の男女1028人を対象に、「梅雨時期のカビ対策」に関する調査を実施しました。その結果、梅雨時期に一番カビが気になる場所は、「お風呂」が最多となりました。また、梅雨時期のカビ対策については、6割強の人が「換気をする」を回答したそうです。
調査は、2023年5月にインターネットで実施されました。
調査によると、58.2%の人が「梅雨時期のカビに困った経験がある」と回答。具体的には、「掃除をするのが大変」(71.1%)、「すぐにカビが発生する」「嫌なニオイがする」(いずれも39.1%)といった回答が挙げられました。
また、「梅雨時期に一番カビが気になる場所」を3つまで選んでもらったところ、「お風呂」(79.6%)、「洗面所」(25.7%)、「窓・カーテン」(23.4%)などに回答が集まり、汚れなどの見た目の問題だけでなく臭いなどの理由で困っている様子がうかがえました。
調査結果をふまえ、カビの専門家である大阪公立大学・大学院理学研究科研究教授の藤田憲一氏は、「多くのカビは25℃付近で旺盛に生育します。水まわりを掃除して、カビを全部除去できたとしても、空気中には無数のカビの胞子が飛んでいるため、水とカビの栄養源(汚れ)があると、そこに付着したカビの胞子が発芽し、25℃の条件では約1週間で菌糸が増えてしまいます。『窓・カーテン・壁面』などに生えるカビは結露が原因で、断熱仕様の壁紙に張り替えることも有効です」とアドバイスしています。
続いて、「梅雨の時期に行っているカビ対策」を複数回答可で答えてもらったところ、「換気をする」(66.5%)、「カビ取り剤を使う」(37.8%)、「除湿剤・除湿機を使う」(28.9%)といった回答が上位に。また、「カビ対策で嫌なこと」では、「カビが取れない」(52.8%)、「とってもすぐにカビが生える」(49.7%)、「正しいやり方が分からない」(33.9%)などが挙げられました。
藤田氏は、「カビ対策で一番重要なのは『水分(水気)を残さないようにすること』です。基本は汚れを取るとともに水滴を残さないことで、短時間の換気は不十分です。水が乾ききるまで、できるだけ長時間換気して下さい。浴室乾燥機あればより短時間で乾かせますし、あるいは、ちょっと面倒ですがバスタオルなどで目地やパッキンに残った水気を取るのも非常に効果的です」とアドバイスしています。
さらに、「カビ対策を行うタイミング」では50.8%の人が「カビを見つけたとき」と回答。そこで、「浴室の中でカビが生える場所」を複数回答可で教えてもらったところ、「ゴムパッキン」(62.0%)、「タイルの目地」(47.1%)、「壁」(32.9%)といった回答が上位に並びました。
藤田氏は、「パッキンは壁面より少しへこんでいることが多く、水がたまりやすい構造になっていますので、カビが生えやすい環境が整っています。ある種のカビは菌糸が黒く、しかもパッキンなどの内部に侵入しやすい性質を持っています。一旦入り込んだ黒い菌糸は、パッキンの表面をブラシなどでこすっても簡単には除去できません。ジェルタイプなどのカビ取り剤を用いて、しっかり除去して下さい」とコメントしています。
最後に、「カビ対策で最も重要だと思うこと」を教えてもらったところ、「こまめに掃除をすること」(34.1%)、「換気をすること」(30.2%)、「水分を残さないようにすること」(11.5%)などが挙げられました。
藤田氏は、「カビが生えやすいパッキンのカビ予防掃除のポイントとしては、堅いブラシでパッキンをこすると傷がつき、汚れや水気が残りやすくなり、カビが生えやすくなりますのでNGです。カビが生えていなくても、ごく柔らかいブラシでパッキン全体を2,3回軽くこすればOKです。一方、パッキンの内部で生えたカビはこすっても落とせません。カビ取り剤で十分時間をかけて除去して下さい。特にカビが気になる風呂場では、汚れを落とすとともに、換気扇や浴室乾燥機で水気を完全に乾かすこと、あるいはバスタオル等で水気を拭くことがカビを生えにくくするコツです」とコメントしています。