「ゴミ屋敷になったらどうしよう」歯ブラシ、割り箸、空き缶に紙袋…「いつか使うかもしれないから」大量にモノをため込む叔母が不安
旅行の宿泊先にある歯ブラシなどのアメニティを使わずに持ち帰るのはあるあるですよね。家に歯ブラシなどのストックがある家庭は多いのではないでしょうか。しかし、自分にとっては普通のことが、人からは異常行動に見える場合もあります。
■骨折した叔母の身の回りの世話をすることに
K子さん(栃木県在住、20代、事務)は転んで骨折してしまった叔母(栃木県在住、50代、工場勤務)の身の回りの世話を、母と交代で手伝うことになりました。
叔母は独身で1人暮らし。K子さんの自宅から車で30分の距離に住んでいます。子どものころは叔母によく遊んでもらいましたが、大人になってからは正月に顔を合わせる程度。最後に叔母のマンションに行ったのは中学生のときでした。叔母はインテリアのセンスが良く「こんな部屋で1人暮らしをしてみたい」と憧れたことを覚えています。
■大量の歯ブラシや割り箸にビックリ!
しかし、久しぶりに行った叔母のマンションは、当時の記憶とはかなり変わっていました。たくさんの物に溢れていたのです。たとえば、洗面所の棚の中には100本以上の歯ブラシがありました。叔母に聞くと、旅行先で使わなかった歯ブラシを持ち帰っているうちに溜まってしまったとのこと。
キッチンの引き出しの1つは、コンビニや飲食店でもらってきた割り箸でパンパンです。冷蔵庫を開ければ小さな醬油やからしが山盛り状態。押し入れには大量の紙袋がありました。さらに、空き箱や空き缶が部屋の隅に積みあがっています。
「いっぱいあるね。いつ使ってるの?」と叔母に聞くと「あまり使う機会がないのよ」との答えが返ってきました。「掃除のついでに分別して捨てようか?」と気を利かせるK子さんですが「いつか使うかもしれないから」と叔母に断られてしまいます。
■整理はされているけれど…気になる
整理はされているものの、たくさんの物に溢れた部屋は圧迫感があります。掃除も行き届いておらず、埃っぽいので体にも良くなさそうです。それでも叔母に捨てる気がないので、K子さんはできる限りの掃除をして帰りました。
帰宅後も、物を集める叔母のことが気になってしまうK子さん。後日、叔母の世話をしに行った母にさり気なく様子を聞いてみましたが「確かに物は多いけど、そんなもんじゃない?」と母は気にならないようです。「自分が気にしすぎ?」と思いつつ、今後も何度か叔母のマンションに行って世話をするので、困っているなら手を差し伸べるチャンスだとも思います。
■なんでも集める叔母にはどのように接するべき?
「もしかしたら普段は仕事が忙しくて片付ける時間がないのかも…」とK子さんは思いました。次回、叔母の手伝いにいったときに収納の仕方を教えようかと考えたのですが、出過ぎた真似かもしれません。
その後の手伝いも最初のときと同様、できる限りの掃除と買い出し、常備菜作りをして帰ってきたK子さん。「まさか、数年後にゴミ屋敷になったりしないよね…」と一抹の不安がよぎります。
このように使わない歯ブラシや割り箸を無料だからともらってくる人はどんな心理なのでしょうか。実際にもらってきたことがある人に聞いてみました。
▽50代・女性
ホテルのアメニティは必ず持ち帰ります。歯ブラシは急に泊まりに来た人に出せるし、掃除にも使えるので必ずいただいて帰ります。それも含めて宿泊代ですよね。
▽30代・女性
私はシャワーキャップは必ず持ち帰ります。シャワーキャップは旅行時の靴袋にするととても便利ですよ!
▽30代・女性
タダで貰えるものは貰わなくちゃ損!と思ってしまいます。帰りのスーツケースがパンパンでも、必ず持って帰ります。たまに実家に帰ったとき歯ブラシを忘れたときにとても重宝します。
▽40代・女性
歯ブラシや割り箸は、沢山あって困ることはないです。無料のものは、私も毎回もらってかえります。最近は、化粧水や乳液もあるし、カミソリとか何でももらいますよ。
◇ ◇
やはり「もらえるものはもらう」といった損得意識でアメニティを持ち帰る人は多いよう。しかし、ちゃんと使う予定があるのかなど消費量も考えておかなければ、「無意味に埃を被ったゴミの山」になってしまうかもしれません。
(まいどなニュース特約・わたなべ こうめ)