批判殺到の猫のサブスク「ねこホーダイ」運営会社が解散へ 事業断念か…ボランティア団体「譲渡予定だった猫たちはどこに?」

東証スタンダード上場「中小企業ホールディングス」が、子会社「のら猫バンク」(東京都千代田区)の解散を決定したことが分かった。

同子会社は昨年12月、猫のサブスクリプション(定額課金)サービス「ねこホーダイ」をスタート。利用者が月380円で提携シェルターの猫が審査なしで借り放題という仕組みに愛猫家やボランティア団体などから批判が相次ぎ、サービスを停止していた。関係者によると、サービスの見直しを検討していたが、事業を断念し現在解散の手続きを進めているという。

譲渡される予定だった猫たちは、千葉県内にある提携シェルター(花の木シェルター千葉支店)にいたが、その行方は明らかにされていない。サービスに反対していたボランティアらは「面倒な審査もトライアルも要らないという動物の命を軽く見ているシステムのあり方に怒りを覚えていました。今回解散決定を聞いて良かったとは思っていますが、猫たちが無事かどうかとても心配しています」と話している。

■「ねこホーダイ」譲渡の猫たちは千葉県内の「シェルター」にいたが…5月末までに転出か?

ボランティアらによると、提携シェルターは千葉県内の住宅街にあるアパートの一室。防音対策がされている部屋で窓を開けないと猫の鳴き声が聞こえなかったという。解散を受けて今年5月末までに、千葉県内のアパートから転出したとみられている。

「のら猫バンク」の解散決定を受けて、「ねこホーダイ」の事業を始める直前に関係者と会ったというNPO法人にゃいるどはーと(埼玉県朝霞市)代表・東江ルミ子さんは「ねこホーダイは、里親になる方がたった月380円で無審査、トライアルなしに借り放題という、猫の命の扱い方がずさんすぎるものでした。また飼い主が頻繁に変わることも予想され、終生飼育への責任の所在はどこにあるのか…不透明な事業に当初から私たちも強く反対していました。

解散が決定したとのことでひと安心ではありますが…譲渡予定だった猫たちがどこにいったのかとても心配です。受け入れ先に困っていれば、私たちが保護したいです」と訴える。

さらに「こうした無審査トライアルなしというサービスが生まれたのも、私たちボランティア団体の譲渡条件のハードルが高いからという指摘があります。命を扱う身として仕方がないことだとはこれまで思っていたのですが、少しでも保護した猫たちの譲渡を進めるためにも改善が必要だと感じました。

例えば、終生飼育が難しい高齢者の方に猫を譲渡した場合、日ごろから里親さまと連携しながら飼育ができなくなった際にボランティアのところに戻していただき、終生飼育できる体制をとることも必要かなと。今後は、譲渡方法の多様化も考えていきたいです」としている。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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