2022年、高齢の元飼い主さんが認知症となり、飼育困難となったことから愛護センターに収容されたミックス犬のラムネくん。埼玉県・東京都を中心に活動する動物愛護団体・わんにゃん小梅保育園が保護することにしましたが、当初のラムネくんは、吠えたり噛んだりという威嚇的な行動はなかったものの、とにかく警戒心が強く、なかなか心を開いてくれないワンコでもありました。同時にスタッフの目には、ラムネくんには元飼い主さんへの強い思いが今もあるように感じ、切なくもなりました。

■ちょっと気難しいラムネくん

なかなか心を開いてくれないラムネくんでしたが、スタッフが献身的にお世話をし続けたところ、少しずつ心を開いてくれるようになりました。あるとき、シャンプーとトリミングを終えた後、気持ち良さそうに仰向けになってグッスリ眠るラムネくんのお腹をさすってみると、とてもうれしそうな表情を見せてくれました。

そんなラムネくんを見て喜ぶスタッフでしたが、しかし、ふとしたときには相変わらず「ちょいキム（ちょっと気難しい）」な性格でもあるようで、少しでも気にいらないことがあると、ムッとする表情も見せます。

なかなか繊細な性格ですが、ラムネくんが嫌がること、嫌いなことさえしなければ終始穏やかに過ごしてくれるようになり、特に心を開いたスタッフの様子を目で追い続けたり、体をスタッフにくっつけてきたりというツンデレぶりがとにかくかわいいワンコでもありました。

■ラムネくんの性格全てを知った上で「迎え入れたい」

「ラムネくんは、ちょっと気難しいところもあるけど、甘えん坊で心優しいワンコだ」とわかったスタッフは、新しい里親さん探しに乗り出しました。

「迎え入れたい」と連絡をくれた里親希望者さんに、まずトライアルで一緒に生活してもらうことにしました。スタッフから見て、この里親希望者さんがとても優しそうで、ラムネくんの性格ともマッチすると考えたからです。しかし、実際の相性を決めるのは、当のラムネくんと里親希望者さん。こればかりはスタッフが「良いな」と思って、実際にトライアルなどで暮らしてもらわないと、答えが出ません。

一抹の不安を抱えながらスタッフはラムネくんをいったんトライアルで預けたわけですが、約2週間ほど経過した頃、里親希望者さんから連絡がありました。

その答えは「ラムネくんを迎え入れたい」。

この言葉を聞いて、スタッフは飛び上がるほどうれしかったと言います。もとの飼い主さんと離れ離れになり不安な気持ちを抱えていたラムネくんの第2の犬生がつながったこと、そして、ちょっと不器用が性格、でも甘えん坊でかわいらしいラムネくんの性格を、里親希望者さんが理解してくれことが何よりうれしかったからです。

無事幸せをつかむことができたラムネくんですが、スタッフはこの好例を胸に、今後も多くの保護犬たちを救い、第2の幸せな犬生へとつないでいきたいといいます。今後もわんにゃん小梅保育園の活動に要注目です。

わんにゃん小梅保育園

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（まいどなニュース特約・松田 義人）