「触れるようにならないかも」と言われた保護施設の問題児 隣で寝てくれた時は嬉しくて泣いた
■施設の問題児
きっとちゃん(7歳・メス)は、2016年2月、大阪府在住の五嶋さんに迎えられた。五嶋さんは動物の保護活動に興味があり、いつか自分にも何かできればいいなと思っていたという。
「具体的に何をすれば保護活動に貢献できるのか…殺処分をなくすために自分にできることを探していましたが、これといった答えを見つけることがなかなかできませんでした。ならば、まずは知ることから始めようとペットの里親サイトや保護団体について調べるように。『ペットのおうち』という譲渡サイトで出会った可愛い子に会うため、保護施設を訪れました」
五嶋さんは、初めてきっとちゃんに会った時に一目惚れした。
「どうしてもこの子がいいと思いました。しかし当時は人見知りがひどく、同じ施設の沢山の猫とも馴染めず、施設の方から『この子はおすすめできません。触れるようにならないかもしれません。施設の問題児です』とはっきり言われました。でも、どうしてもこの子がいいと言って譲って頂きました」
■隣で寝た時は嬉しくて泣いた
きっとちゃんは、軍手をつけなければエサをあげられないほど威嚇し、怯えていた。優しく名前を呼んでも、「シャーーーーッ!」と威嚇した。
「ああ、ほんとだな。触れる日は来ないかもしれないと思いました(笑)」
名前は「きっと大丈夫」から、きっとにした。「きっと大丈夫」だと言い続けるために。
きっとちゃんは、1週間経ってもずっと怒っていた。そして家に来て2週間が経つ頃、初めて手の甲で顔にそっと触れることができたという。
「怖がりな子なのでリアクションを大きくとってはいけないのですが、内心めちゃくちゃ嬉しかったです。1カ月経つと威嚇しなくなり、こちらを信頼し始めたのかな?と思いました。それからどんどん距離は縮んでいき、初めて隣で寝てくれた時は嬉しくてひっそり泣きました(笑)」
今ではすっかり甘えん坊になったというきっとちゃん。控えめではあるが、「触って触って」とつんつんして来ることもあるそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)