ロックにも震災復興ボランティアにも一生懸命! 80年代ヘヴィメタルシーンを担った藤原MAXまさのりの今

6月2日、神戸市の老舗ライブハウス・チキンジョージでロック歌手の藤原MAXまさのりのライブが開催された。昨年4月にソロとしては初めて神戸を訪れたMAX。あの時も雨だったが、今回も生憎の雨。東海道新幹線が止まってしまい来場できなかったファンもいたそうだが、本人はすんでのところで影響を逃れ関西入りを果たせたそうだ。

1980年代のヘヴィメタルシーンに一石を投じた十二単のボーカリストは今、どんな思いでステージに立つのだろうか。

ーー5月5日にニューシングル「明日へ」をリリースされましたね。

MAX:CDのほうはバンドアレンジとストリングスアレンジ、配信はピアノアレンジというように3バージョンがあります。聴き比べていただけると嬉しいですね。

ーー近年、ソロでは聴かせるしっとりした曲が目立ちます。今作もバラードですが、どんな思いが込められているのでしょうか?

MAX:自分自身、嫌なこと、辛いことがあっても前に進みたい、そして逆境や岐路にある人たちを励まし、背中を押せるようなメッセージを込めています。ソフトに聴こえるかもしれないけど、サビの盛り上がりもファルセットは使わず、あくまで地声で。ロックボーカリストとしてこだわる部分は相変わらずです(笑)。

「明日へ」は実は10年以上前に作ってもらった曲。いい曲だけど、その時は出すタイミングじゃないと思いました。それが、いろんな災害があったり、ウクライナの紛争が起こったりする中で、日本にもようやくチャリティーやボランティアの精神が根付いてきたかなと。それでの今回リリースに至りました。

ーーMAXさんはボランティア活動も続けています。

MAX:先月も福島を訪問しました。南相馬市の青葉幼稚園では、ストリングスの演奏家たちとAdoの「新時代」や童謡、唱歌を歌うコンサートを。飯館村の福光の家では、震災で取り残された動物たちのお世話の手伝いをさせていただきました。

東日本大震災では大きなショックを受けました。震災直後の東北の状況を見て、これまでミュージシャンとして好き勝手生きてきた自責の念じゃないけど、自分もなにかしないわけにはいかないなと。

ーー東日本大震災から12年が過ぎました。

MAX:表面的には震災の痕跡は消えつつあると思います。今回、訪れた幼稚園の子たちのように震災を経験していない世代も増えてきてます。でも、確実に震災による物理的、精神的なダメージは残っているんですよね。被災地域が本当の意味で復興するまで、まだまだ世間の関心や支援が必要だと痛感します。

ーー7月19日、日下部 "BURNY" 正則さんらとやっておられるASIAN BLACKのアルバム「赤い薔薇」がテイチクからリリースされます。2021年に再始動してから2枚目のアルバムですね。

MAX:最初はシングルのつもりでしたが、曲を書いてるBURNYが乗りに乗ったみたいで(笑)。僕のオススメは4曲目の「夏の夜のSoliloquy」です。ロックでありながら組曲のような、僕たちの世代の原点に帰ったようなナンバーですね。

いい意味でパーソナルな表現が出来たアルバムだと思います。昔からのファンの方も、今、ハードロックやヘヴィメタルに興味を持っている方、どちらにも楽しく聴いてもらえるんじゃないでしょうか。

ーーリリースやお披露目のライブが楽しみです。最近、ソロでもASIAN BLACKでも神戸に来られる機会が増えたと思いますが、お気に入りのスポットなどはありますか?

藤原:打ち上げもそのままチキンジョージでやっちゃうから、なかなか歩き回ったり観光したりする時間がないんですが、教えてもらった第一旭のラーメンは気に入ってますよ(笑)。

◇ ◇

MAXさんは7月から8月にかけてASIAN BLACKとして全国ツアーを予定。

ぜひ多くの方に現在進行形の熱いロックサウンドを体験していただきたい。

藤原MAXまさのりプロフィール

大分市金池町出身。1979年、17歳で上京しハードロックバンド「十二単」を結成。ハードロック、ヘヴィーメタルシーンの旗手として注目を集める。1985年、アルバム「AGAIN」でソロデビュー。以後ソロアーティストとして活動するかたわら「ナツメタル」「ASIAN BLACK」等のバンド、ユニットにも参加している。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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